2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K13542
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
林 彦櫻 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (90846354)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 零細小売業 / ボランタリー・チェーン / 地域商業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、零細小売業の衰退というテーマに関連して、戦後日本の流通政策、特に流通近代化政策の柱としての「ボランタリー・チェーン政策」について研究を行った。2022年度にはThe Voluntary Chain Policy in Japan's High-growth Periodをテーマに学会報告をしたが、2023年度は更にその研究を深めた。2023年3月に日本ボランタリー・チェーン協会に訪問し、事務局の担当者に聞き取り調査を行うと同時に、協会で保存された一次資料を確認した。更に、協会が刊行した『月刊ボランタリーチェーン』の全巻(1969年1月-1999年3月)を1年間借用し、資料を閲覧した。以上の成果をまとめ、2023年8月には「高度成長期におけるボランタリー・チェーン政策の成立と展開」という論文を刊行した。また、2023年度の後半において、零細小売業の地域構造の分析をテーマに、新しい論文を執筆している。その基礎作業として、研究代表者はまず戦後の『商業統計表』の都道府県別のデータを整理し、零細小売業の地域構造を時系列的に把握した。その上、熊本県、大阪府等を対象に地域商業の資料を収集し、これまでの研究に欠落していた零細小売業の地域レベルの分析を行った。以上の内容を、本プロジェクト終了後に出版を目指す単著に収録する予定である。以上の活動実績以外に、研究代表者はこれまでの産業集積研究の知見を吸収し、今後の地域商業研究の参考とするために産業集積をテーマとする研究報告を2回行った。
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