2022 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本蚕糸業と地域社会ー天龍社資料を中心としてー
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20K13551
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Research Institution | The Iida City Institute of Historical Research |
Principal Investigator |
太田 仙一 飯田市歴史研究所, 研究部, 調査研究員 (60826147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経済史 / 蚕糸業 / 戦後史 / 経営史 / 地域史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、前年度実施した天龍社資料の調査再整理の目録について、目録の内容を原資料と紹介して確認するとともに、資料の写真撮影や読解などを行った。 現時点で完成している分の目録に関しては、公開できるように準備を行い、飯田市歴史研究所においては閲覧可能な状態とした。資料箱にして57箱(資料点数およそ1691点)分について調査・目録作成作業が完了しており、目録が利用可能となっている。天龍社資料については、戦後の資料がメインであると思われていたが、戦前の資料(特に天龍社の前身である伊那社時代のもの)も多数含まれていることなどが明らかとなってきた。資料の全体像について少しずつ明らかとなる部分が増えている点は大きな成果であると考えている。 次に資料を活用した研究状況の現状についてまとめる。学会における研究発表などは実施できなかったが、内部の勉強会などで報告を行い、2023年度以降の研究の下準備をすすめた。戦後の長野県飯田・下伊那地域における社会経済の中で、天龍社がどのような役割を担ってきたのかについて検討を行っている。そのための基礎文献となる先行研究の文献購入などを重点的に行うとともに、オンラインの学会にも幅広く参加した。 現時点での調査状況について、『飯田市歴史研究所年報』に短い調査報告を執筆した(発表されるのは2023年度になる見込みである)。あわせて、戦後の長野県の社会経済についての理解を深めるため、長野県立歴史館に所蔵されている青年団資料の調査も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天龍社資料の調査整理目録再整備については、半分を完了するとともに、完了分については目録を公開可能な状態にたどり着いたため。 ただ、本来予定していた2022年度の調査再整理については、予定していた協力者の方の都合がつかなかったため、2023年度に延期となった。2023年度中には必ず完了させたい。
また、天龍社資料を活用した研究については、調査状況の概況を述べた原稿を執筆したが、まだ中途であるため、さらに進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
天龍社資料について、まだ調査が完了していない部分については、人件費謝礼などを活用して再調査・目録作成を行い今年度中に完成させることを目標とする。 今年度はコロナ感染症流行も落ち着いた状態になると想定されるので、積極的に旅費を活用して飯田市・長野県などにも出張を行いたい。 その成果についても、飯田市民、そしてより広い人々に伝えられる方策を検討していく。研究面については、戦後の天龍社における特に青年層の活動について研究をまとめ学会報告を実施する。学会参加については、オンラインを選択することが多かったが、2023年度は対面形式のものにも積極的に参加したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の流行などで、外部調査が何度か中止になったことが第1の理由である。第2に、天龍社資料の調査について、予定していた調査協力者の方の都合がつかなかったために人件費謝金について支出することができなかったことが大きな理由である。今年度は、その分も活用し、天龍社資料の調査作業を完了させる予定である。 まず、人件費を活用してまだ未調査分の天龍社資料の目録作成の完了を目指したい。また旅費については、コロナ流行がひと段落した状況であると考えられるため、積極的に活用したい。調査先としては、飯田市歴史研究所・長野県立歴史館などを想定している。合わせて、旅費については学会発表のための出張についても可能であれば活用したいと考えている。
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