2021 Fiscal Year Research-status Report
The process of changing professional identity as the researcher's job changes
Project/Area Number |
20K13575
|
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
土屋 佑介 大阪産業大学, 経営学部, 講師 (70851765)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | キャリア / アイデンティティ・ワーク / 専門職 / 職種変更 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、研究職人材の職種変更に伴う職業的アイデンティティの変容過程を明らかにすることである。令和3年度は、令和2年度に持ち越し課題とした日本企業における雇用慣行や雇用に対する信念レベルの検討および、データ分析や成果をまとめるにあたって必要な方法論的検討を引き続き進めた。 日本企業における雇用慣行や雇用に対する信念レベルの検討として、土屋(印刷中)を提出した。具体的には、日本企業における研究職からスタッフ職への異動現象の理由を、総務省統計局の科学技術研究調査、労働法、日本生産性本部の日本的雇用・人事の変容に関する調査結果を二次資料に用いて検討した。その結果、日本企業、特に大企業で働く研究者が他組織に移ることは難しく、成果を重視する人事制度改革が進む中で、自己変革を続けるプロフェッショナリズムが求められるようになったことを示した。これを踏まえて、研究者として力不足を感じたり燃え尽きたり業績評価や能力評価で低い評価を受けたりした研究者が、不本意ながら異なる職種への異動が起きやすい状況に置かれていると考察した。 また、方法論的検討として、土屋・久保・林部・吉﨑(2022)をまとめた。具体的には、Fisher and Aguinis (2017) による理論の精緻化を整理し、彼らのアイデアを基に『組織科学』誌と『日本経営学会誌』の学会賞受賞論文のうち質的研究9本を取り上げて分類した。その結果、ある程度の研究蓄積があり頑健な結果に上乗せする研究や比較事例を基にした研究が多い一方で、時間を長くとった研究が少ないことを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(2)おおむね順調に進展しているとした理由は、当初の計画であるインタビュー調査に加えて、日本企業における雇用慣行や雇用に対する信念レベルの検討や方法論的検討を進めることができたためである。そのため、当初の計画通り、これまでの研究成果を国内外の学会報告や査読付き雑誌への投稿を通じて発信していくフェーズに進むことが可能である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、令和4年度は、当初の計画通り、2年間の研究成果を国内外の学会報告や査読付き雑誌への投稿を通じて発信していく。研究成果の発信に向けては、これまでの研究成果より、考察に関わる日本の文化的・社会構造的文脈に関する知見の整理がおおむね完成している。そのため、令和4年度は最新研究のレビューを継続しつつ、主たるエフォートをデータ分析と考察に移し、研究を推進していく。
|
Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由は、令和3年度と同じく COVID-19 の流行に伴い、旅費の執行ができなかったためである。使用計画としては、82nd Annual Meeting of the Academy of Management への現地参加を予定しており、最新の研究知見の収集することに活用すること、および、英語論文を書き上げ英文校正に使用することで執行を進めていく予定である。
|
Research Products
(2 results)