2022 Fiscal Year Annual Research Report
事業承継の後継者である第三者の資源がアントレプレナーシップへ与える影響
Project/Area Number |
20K13592
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
難波 和秀 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (60835627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ / 事業承継 / 第三者承継 / 後継経営者 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
中小企業、同族企業、小規模零細企業などの経営者の高齢化により、事業承継が社会課題となっている。このような社会課題を解決することは、社会的価値の維持・承継、地域雇用の維持などにつながり、社会的意義は大きい。事業承継は伝統を承継するだけでなく、アントレプレナーシップを発揮することで,第二創業,事業承継後の成長、イノベーションを実現する機会となる。本研究は、事業承継後のアントレプレナーシップのプロセスにおいて、第二創業や事業承継後の成長のために、後継経営者となった社外の第三者が新たに持ち込むどのような資源がどのように作用するかを明らかにするものである。 文献調査の結果、アントレプレナーシップのプロセスと社外の第三者が発揮できる能力、資源との関係性を考察した。加えて、日本固有の独自性と非同族後継者の独自性に関する考察、分類を行い、国際学会発表を行った。考察の結果を用いて、後継経営者となった第三者の能力、資源に関するアンケート調査項目とインタビュー調査項目の最適化を行った。 リサーチクエスチョンの「事業承継後のアントレプレナーシップのプロセスにおいて,第二創業や事業承継後の成長のために,後継者となった社外の第三者が新たに持ち込むどのような資源がどのように作用するのか?」に対して、インタビュー調査などの事例研究の結果、「社外の第三者の多様な実務経験を背景に相互主観(共感)が育まれ、育まれた相互主観(共感)から経営哲学、理念が創出され、創出された非財務経営資源である経営哲学、理念が、先代の経営哲学、理念と融合、バランスをとりながら、経営資源に対しての制御情報として作用する」ということが分かった。
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Research Products
(2 results)