2020 Fiscal Year Research-status Report
クロスボーダーM&Aの統合プロセスにおける企業間関係についての研究
Project/Area Number |
20K13598
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
徐 玉琴 明治大学, 経営学部, 助教 (80826024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クロスボーダーM&A / 統合プロセス / 組織間関係マネジメント / 統合アプローチ / 知識移転 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今,日本の大手企業が大型M&Aに乗り出す動きが相次いている。大型M&Aに踏み切った理由の一つとして,グローバル競争に勝つための研究開発能力を獲得することが挙げられる。一方,企業が必ずしもM&Aで獲得した研究開発能力を有効に移転・活用できていないことが指摘されている。M&A後の統合と研究開発能力の向上の関係についての研究は多く行われてきたが、未だ統一的見解はない。本研究はクロスボーダーM&A(合併・買収)後の統合プロセス(Post-Merger Integration、PMI)における当事者企業の関係に着目し、PMIにおける知識移転の促進に適した組織間関係のマネジメントのモデルを解明することを目的としている。2020年度は先行文献を分析した上、理論的なフレームワークの構築を中心に進めてきた。理論的枠組が固まったことが最大の成果である。これにより、仮説実証の段階へ移行することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で示したとおり、本研究の理論的フレームワークが定まったことにより、今後の仮説検証に移行することができる。また、2020年度は文献調査のほか、1社の企業ケースのデータ収集にも時間を費やした。研究内容を国内学会で報告し、有益なコメントを頂戴した。
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Strategy for Future Research Activity |
ケーススタディにより仮説実証を行う。2020年度は1社の企業ケースの分析成果を学会で報告した。今後は更なるデータの収集に努める。現状では、1社の企業ケースを中心に分析しているが、今後は同業他社による比較データ分析にチャレンジしたい。
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Causes of Carryover |
グローバル企業のクロスボーダーM&Aの概況を把握するために、文献を購入する費用(書籍代、文献複写費)が必要である。 企業関係者へのインタビュー調査を実施するため、現地への旅費と調査協力者への謝金、通信費が必要となる。 研究成果の発表に関しては、学会への参加に係る旅費、学会参加費、印刷費、会場費などの費用が必要となる。また、研究成果の発信については、英語論文の執筆を予定している。そのため、英語論文の校閲費が要る。
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