2020 Fiscal Year Research-status Report
医療の質と経営の質を相互に高めるための医業経営データ分析環境のモデル構築
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20K13609
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
前田 瞬 活水女子大学, 健康生活学部, 准教授 (40758984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医業経営 / 根拠に基づいた経営 / 医療情報システム / 意思決定支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は本研究課題遂行の初年度であり、医業経営情報活用に関する文献研究や事例研究を中心に取り組んだ。「医療法人事業報告書・決算報告データベース」を入手し、これまでの研究成果として蓄積してきた自治体病院の医業経営情報と医療法人立病院(民間病院)の医業経営情報を比較・検討することができた。 コロナ禍で、当初予定していた複数の医療機関に対する対面によるヒアリング調査を実施することができなかった。しかし、北海道・三重県・長崎市内の急性期病院に対して、医業経営の現況や地域医療連携システムの医業経営に対する活用についてヒアリング調査を実施した。併せて、オンラインで実施された私設研究会や各種イベント等を通じて民間病院の理事長や事務長といった病院経営管理者に対して医業経営と医療情報システムに関するヒアリングを実施することができた。限られた数のヒアリング調査となったが、コロナ禍における医業経営という特殊事情についてもヒアリングすることができ、示唆に富むものであった。 研究成果の公表としては、中央大学企業研究所公開研究会(オンライン講演会、2020年5月30日実施)において、「自治体病院における医業経営の現状」という演題で招待講演を行った。「医業経営ポジショニングモデル」や「DEA(包絡分析法)」を用いて、医業経営における「根拠に基づいた経営(Evidence-based Management)」を実践する大切さを講演した。 以上、コロナ禍で研究遂行の制約はあったが、2020年度研究成果として予定していた「システムが備えるべき要件・機能の解明」についての「システムが備えるべき要件の解明」については概ね達成できたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」の概要に示したように、医療機関に対する対面・オンラインによるヒアリング調査を通じて、2020年度研究成果として予定していた「システムが備えるべき要件・機能の解明」についての「システムが備えるべき要件の解明」については概ね達成できたと考えている。 しかし、「システムが備えるべき機能の解明」については、コロナ禍におけるオンライン授業対応や当初想定していなかった学内業務の増加により、充分に研究遂行(文献調査、学会・研究会参加による情報収集など)することができなかった。 以上の理由により、研究遂行状況を「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究成果目標は「システムのモデル構築」である。 昨年度と比較し、コロナ禍におけるオンライン授業・学内業務も“日常化”していることから、2020年度に充分な研究遂行をすることができなかった「システムが備えるべき機能の解明」とともに、本年度の研究成果目標である「システムのモデル構築」を予定通り実施していく。併せて、2020年度は学会発表や論文発表等、研究成果の公表も十分にできなかったため、今年度は論文発表を中心に、本研究課題の研究成果を積極的に公表していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、当初予定していた学会出張、ヒアリング調査のための出張が中止となったため、次年度使用額が生じた。 次年度以降は、旅費に分配している分を見直し、オンライン学会や研究会への参加費、研究計画を充実させるための文献購入やデータベース購入に充てたい。
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Research Products
(1 results)