2021 Fiscal Year Research-status Report
医療の質と経営の質を相互に高めるための医業経営データ分析環境のモデル構築
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20K13609
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
前田 瞬 活水女子大学, 健康生活学部, 准教授 (40758984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療情報システム / 医療の質 / 経営の質 / 組織的情報品質改善活動 / 内部コード設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、「システムが備えるべき要件の解明」(前年度に達成できなかった研究達成目標)と「システムのモデル構築」(今年度の研究達成目標)の2点について、研究遂行と論文3件、学会報告1件の研究成果の公表ができた。 まず、前田瞬(2022)の論文では、本研究が指向する「医療の質と経営の質を相互に高めるための医業経営データ分析環境」を構築するためには、システムがどのような要件を備えるべきなのかという点を明らかにするためには、「組織的情報品質改善活動」を実践する必要があるという点を指摘した。 次に、前田瞬・村田幸則(2022)の論文では、上記の「組織的情報品質改善活動」という組織論的アプローチによる情報システム構築とともに、“使いやすい情報システム”あるいは“役に立つ情報システム”といった曖昧模糊とした情報システム構築の際の観点を科学的あるいは明示的に明らかにするための技術的アプローチとして「内部コード」という仕組みを取り入れた医療情報システム構築の可能性について指摘し、そのシステムのモデルを示した。 次に、梅野潤子・前田瞬(2022)の論文ならびに梅野潤子・前田瞬(2021)の学会報告では、本研究課題に関わる近隣領域(対人援助職を対象とした研究)として、文献研究とアンケート調査結果にもとづいた社会福祉士養成におけるICT活用教育の在り方を提案した。また、対人援助業務におけるICT活用の在り方・課題について児童相談所・市町職員に対するフォーカス・グループインタビューを行った結果について報告をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に示しているように、2021年度の研究達成目標である「システムが備えるべき要件の解明」と「システムのモデル構築」に関する研究遂行ができた。また、その成果を論文3本、学会報告1件として公表することができたことから、概ね順調に研究を遂行できていると判断した。 ただし、依然としてコロナ禍の影響により、医療機関へのヒアリング調査を十分に実施できていなかったり、国内外の研究者との研究交流も十分にできていないため、研究最終年度である2022年度は、可能な限りヒアリング調査の実施や研究交流を推進していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本研究課題推進の最終年度である。研究達成目標は「構築したモデルの適用可能性の検証」である。経営情報システム学の領域で、近年、とみに衆目を集めている「情報品質」や「社会物質性」の分析視角を応用して検証作業を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
2020年度からのコロナ禍により、インタビュー調査やヒアリング調査、学会報告、勉強会参加のための旅費を使用していない状況が続いているためである。 2022年度は、学会報告をはじめとする各種研究活動において、対面とオンラインのハイブリットによる実施が可能な状況となりつつあることから、当該研究費は旅費への支出とオンライン会議環境の整備に充てる計画である。
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Research Products
(4 results)