2023 Fiscal Year Annual Research Report
医療の質と経営の質を相互に高めるための医業経営データ分析環境のモデル構築
Project/Area Number |
20K13609
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
前田 瞬 長崎県立大学, 経営学部, 講師 (40758984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療情報システム / 医業経営 / 内部コード設計 / アジャイルソフトウェア開発 / データの可視化 / 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究の最終年度であり、「構築したモデルの適用可能性の検証」を実施した。検証の対象である構築したモデルとは、2021年度に着手した「内部コード」という仕組みを取り入れた医療情報システムモデルである。公的医療機関1件への訪問調査や学会出席を通じて、医療従事者にヒアリング調査を実施し、モデルの有効性や実現可能性について検討を行った。 関連する業績として、論文2件、学会報告1件の研究成果を公表することができた。 まず、前田(2023)の論文では、長崎県内自治体病院の医業経営データを事例に、医業経営状況の可視化モデルを示し、その有用性を検証した。 次に、梅野・前田(2024)の論文では、医療機関を対象としていないが、対人援助専門職関連領域である「児童福祉司」の業務に着目し、そのICT活用の現状と課題を示した。本研究で構築したモデル検証の参考とするために、フォーカス・グループ・インタビューの手法によって得られた内容を示している。 次に、前田・梅野(2024)の学会報告では、利用者指向の情報システム構築を実現するためのシステム設計・開発・検証の在り方について、実践主導アプローチという方法論に依って、検討した。併せて、上述したモデルの有効性と実現可能性に関する検証結果も示した。 以上、1年間研究期間を延長したことで、「内部コード」を取り入れることによる医療情報システム構築に向けて、そのモデルを十分に検証することができた。
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