2023 Fiscal Year Annual Research Report
仮想実験による企業のブランドポートフォリオに関する研究
Project/Area Number |
20K13617
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 涼平 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (50829356)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブランドポートフォリオ / 仮想実験 / コードシェア / ブランド戦略 / 航空サービス / 輸送サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、特に下記3点の内容を遂行した。 まず、昨年度内に軽微な修正要求を受けていた論文(船会社の提携による航路ネットワーク変更とサービス変更に関する研究)の改訂を進めた。この論文は国際査読付雑誌に採択・発行されるに至った。 次に、前年度からの継続として、日本の航空輸送市場に関するデータセットを拡充するための作業を行なった。この作業は、過年度までにまとまった研究成果に基づく論文(航空会社の破綻・救済と提携によるサービス変化に関する研究、多市場接触による影響に関する研究)を学術誌に投稿した際に査読者から指摘・提案された事柄に対応するためのものである。年度内にデータ入力と変数の作成作業を完了し、過年度の研究で適用していた旅客の交通サービス需要モデルの推定に利用した。その結果として、過年度の研究では捕捉できなかった交通サービスの特性を考慮できたとともに、過年度の結果と相違のない頑健な結果を得ることができた。時系列的な動向についても考慮できるデータを整えることができたことから、過年度に投稿した論文の分析では除外していた企業の行動についても組み込むように実験シナリオを再構築した。実験シナリオの分析は修正途上にあり、論文の再投稿までは進められなかった。次年度以降に改訂を完了し、再投稿したい。 上記の研究と並行する形で、本研究課題に関連する別の理論研究も新規に実施した。内容としては、鉄道事業者による複数サービス提供に関する研究である。日本では、新幹線の開業に伴って並行する在来線を他事業者に移管し、同時に特急サービスが縮小する事例がある。この問題に注目し、事業者が新幹線サービスと特急サービスを同時に供給した場合の経営上の問題と利用者への影響について理論モデルによって分析した。この研究は国内学会で発表の後、国内学会の査読付き雑誌に投稿・採択され、年度末に発行に至った。
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