2020 Fiscal Year Research-status Report
the verification of the property and conditions of behavioral experience and Hypothesis presentation on design marketing process
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20K13625
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
牧野 耀 金沢星稜大学, 経済学部, 助教 (60846723)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 顧客経験 / 行動的経験 / 新サービス / 技術受容モデル / 共分散構造分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は行動的経験の概念に基づいた調査や検証を実施することで,より広範な知見の蓄積を行い, 体系化を目指すことである。具体的には,①行動的経験の性質や条件に関する検証の蓄積と②行動的経験のプロセスの理論化を行い,経験の行動的・身体的な側面に関する知見の蓄積を促進することである。①に関して,消費者を対象とした質問票調査を行い,収集したデータをt検定,重回帰分析,そして共分散構造分析により分析することで,行動的経験のもつ性質や効果が高くなる条件等を検証する。②に関しては,文献レビューにより既存の2次データを整理した上で,企業のデザインやマーケティングの担当者に対するインタビュー調査を実施し,経験の調査・設計・提供のプロセスについて仮説モデルを提示する。本研究は, デザインとマーケティングの知見を通貫して取り組む必要のある研究であるが,両分野の知見を踏まえ行われた研究の蓄積は少ない。 初年度である2020年は,質問票調査と定量的な検証を行う予定であった。しかしながら,オンライン授業への対応により当初計画していたよりも授業負担が大きく,十分な調査設計を行うことができなかった。また同年に消費者の行動デザインに関する重要な書籍や顧客経験(Customer Experience)に関する先端的な論文が複数出版されていることがわかり,改めて顧客経験に関する知見の整理が必要であることが考えられた。そこで,計画を変更し,最新の知見を取り入れた調査を設計するため,顧客経験に関する文献レビューを行った。これにより顧客経験に関する動向が示された。またデザインとマーケティングの関係性についてやや整理が進む結果となった。文献レビューの結果は,論文としてまとめ,立命館経営学,第59巻第6号に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オンライン授業への対応により当初計画していたよりも授業負担が大きく,十分な調査設計を行うことができなかった。少し計画を変更して,顧客経験の最新の知見の整理を行った。これによりオンライン環境や店舗環境などの違いにより顧客経験において重要な要因に違いが見られ,研究体系も分かれていることなど考えられた。またカスタマー・ジャーニーにおいても道具的なサービスかレクリエーション的なサービスかによってジャーニーの特徴が異なることがわかった。こうした先行研究の整理による知見を踏まえ,環境設定を細分化した行動的経験に関する調査なども検討し得ると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
従来予定していた消費者を対象とした質問票調査を行い,収集したデータをt検定,重回帰分析,そして共分散構造分析により分析することで,行動的経験のもつ性質や効果が高くなる条件等を検証する。特に本年度の顧客経験の文献のレビューの結果によって,行動的経験についても,環境やサービス特性など検証の余地がある要素が加えられた。そうした知見も踏まえた効果的な調査設計を行い、分析結果の蓄積を行いたい。また当初より2年目の予定にある文献による事例ストーリーの調査やインタビュー調査,分析にも取り掛かる。出張制限などによりインタビュー調査の実現が難しい場合は,代替的な手段または,2次データの有効活用など,適宜対応して研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
オンライン授業対応のため当初予定していたより授業負担が大きく、また同年度の顧客経験に関する重要な先行研究の発見があったため,調査設計に遅れが生じたことが主な理由である。そのため予定していた調査委託の費用を支出できていない。また感染症対策による移動制限に伴い,当初予定していた交通費も発生しなかった。本年度以降,先行研究レビューを踏まえた質問票設計を行い,調査と分析を進めていく。
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Research Products
(1 results)