2021 Fiscal Year Research-status Report
価値共創における個人知活用の意義ー持続的幸福度との関連性ー
Project/Area Number |
20K13631
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
青木 慶 甲南大学, マネジメント創造学部, 准教授 (50761045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スキルシェア / 個人知 / 持続的幸福度 / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、個人知を活用することの有用性を社会に提示し、価値共創のさらなる発 展に寄与することである。2021年度は、2020年度に実施したインタビュー調査の結果を分析し、「なぜ知の共有が持続的幸福度を高めるのか」について追究した。 その結果、知の提供者は、自分の培ってきた知識や経験を、他者、特に次世代に共有し、継承していくことに意義を見出しており、それが持続的幸福度を向上させていることが示された。この、個人を起点とする、持続的な知の共有の流れは本研究の重要な発見である。新型コロナウィルスの蔓延により、人流や物流が滞る中で、持続可能な知識の流れを示したことは、非常に意義のあることだと認識している。 本研究の成果は、2021年4月に論文公刊、7月、10月、2022年2月に学会発表を行い、国内外に広く発信することにも注力した。特に4年に1度開催される、心理学で最大級の国際学会(International Congress of Psychology)にて発表したところ、様々なカンファレンスやジャーナルからコンタクトがあり、本研究への関心の高さを実感した。 近年、経営学やマーケティングの分野でも、ウェルビーイングの概念の重要性が増している。本研究では、心理学などの分野で蓄積されてきた知見を、経営学において適用し、新たな知見を提示した。学術領域の発展という観点においても、本研究は一定の貢献ができるものと認識している。しかしながら、本研究の成果は、一部のデータから導出したものに過ぎず、まだ経営学の分野、あるいは社会的に影響を与えるという水準には至っていない。引き続き、調査を継続し検証を重ねることで、学術領域と社会への貢献に努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な成果発表は、別途記載する通りである。 また、インタビュー調査を通じて得られた結果を補足するために、定量的調査(n=2,000)を実施し、スキルシェアを副業として行う場合も、趣味の一環として行う場合も同等に、当事者の持続的幸福度を高めることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症の拡大で、主に海外での成果発表が滞ったため、本研究の期間を1年延長することになった。2022年度は、2021年度に実施した定量的調査の結果を学会などで発表し、論文を執筆することに充てる。
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Causes of Carryover |
感染症拡大の影響を受けて、前年度から2年連続で国際学会への参加がかなわなかったため。
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