2022 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study on the factors that cause abusive exercise of shareholder proposal rights and their impact on corporate value
Project/Area Number |
20K13642
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
久多里 桐子 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (60805654)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 株主提案権 / コーポレート・ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
<最終年度に実施した研究の成果> 最終年度においては、株主提案の内容に関する分析を行った。具体的には、株主提案の要領である3つのテキスト (提案内容、提案理由、取締役会の意見) を独立した文書とみなし、各文書をトピックモデル(LDA) を用いて分類した上で、各トピックにおける文書の特徴量 (文字数および文字数に占める数字の割合) と賛成率の関係を分析した。2011年~2019年の定時株主総会における株主提案議案1,350件を対象に分析を行った結果、提案内容や提案理由のトピックによって、得られる賛成率が異なることを確認した。本研究の分析結果は、他の株主が株主提案の要領に基づいて議決権を行使していることを示唆する。当該発見事項について、2件の学会報告を実施した。 <研究期間全体を通じて実施した研究の成果> 本研究課題では、数および内容の面から株主提案について分析を行なった。「数」に関する分析では、同一グループの株主によって、複数の株主提案議案が提出された場合と単一の株主提案議案が提出された場合における企業特性の差異を明らかにした。分析の結果、1名の株主が複数の株主提案議案を提出した企業は、1名の株主が1件の株主提案議案を提出した企業と比べて、企業規模が小さく、金融機関持株比率が低く、個人持株比率が高いことを確認した。株主提案権が濫用的に行使される場合の背景にある要因は、権利が適切に行使された場合とは異なる可能性がある。「内容」に関する分析では、株主提案の要領として記載されたテキストの文字数や文字数に占める数字の割合が、議決権行使結果に影響を与えている可能性があることを確認した。
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Research Products
(2 results)