2020 Fiscal Year Research-status Report
国際財務報告基準及び財務報告のインセンティブが会計情報の質に与える影響
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20K13653
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
苗 馨允 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 講師 (60749414)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 会計環境 / 制度的要因 / 国際財務報告基準(IFRS) / 財務報告の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中国に焦点を当てて,特定の国や地域における固有の会計環境はどのように財務報告を巡る制度的要因に影響を与えるのか,それらの制度的要因はどのように財務報告の質に影響を与えるのかを解明することを主要目的とする。 当該年度に,中国を一例として、会計環境(経済的、法律的、組織的、政治的、文化的、専門的環境など)はどのように財務報告を巡る制度的要因に影響を与えているのかを解明するための調査を行った。とりわけ、金融商品の測定に注目して,1996年から2001年まで中国で起きた金融商品の測定を巡る議論をまとめ,金融商品の測定に関する中国の会計制度と国際会計基準との比較分析を行った。さらに、中国における公正価値の適用を制約した環境的要因について分析をも行った。 かかる分析によって,中国の会計制度の国際化は直線的に前進するものではなく,しばしば曲折と反復が伴い,中国固有の会計環境と摺り合わせしながら,進んできた過程であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に,中国に対象として,会計環境が財務報告を巡る制度的要因に与える影響に関する文献を網羅的に調査した。また,金融商品の測定を巡る会計基準の作成に注目して,中国における1990年代後半から2000年代前半までの会計環境がいかに公正価値の適用に制限を与えていたのかを解明した。 研究成果は雑誌論文1本として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は次のとおりである。 1.各国固有の会計環境及び制度的要因は,いかに財務報告の質に影響を与えるのかを解明するための研究を行う予定である。 2.研究成果を学術論文にまとめ,国内外の学会で報告する予定である。 3.学会で得られたコメントを反映させる修正を行い,国内外の学術誌に投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)