2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K13662
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
河瀬 豊 神戸学院大学, 経営学部, 講師 (60805604)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織再編成 / 税務計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,まず米国において構築された税務計画(タックス・プランニング)のフレームワークをわが国の制度に適応したものに再構築すること,次にそのフレームワークに基づいて実証分析を行う。これにより,わが国の組織再編成税制の特徴と税制が企業行動に与える影響を明らかにすることを目的とする。 初年度である令和2年度は、新型コロナウィルスが全国に感染拡大したため,遠隔授業による時間的制約と出張が制限されたり図書館の利用に制約があるなど物理的な制限を受け,研究活動に大きな支障をきたすこととなった。このような状況において取り組んだ主な研究内容は,(1)先行研究のサーベイ,(2)組織再編税制に関するケーススタディ,及び(3)実証分析のための組織再編成に関するデータベース構築の着手の3点である。 (1)については,米国とわが国の先行研究と制度を確認した。その結果,わが国の組織再編成税制は制度自体は複雑であるが,フレームワーク化すると米国のモデルよりも単純になる可能性があることが示唆された。(2)について,わが国における組織再編税制の事例を判例から選び,判決文や有価証券報告書を突き合わせて,組織再編税制の不確定要素の問題について検討した。(3)について,M&A情報会社と組織再編成に関するデータベース利用契約を締結した。これに有価証券報告書などのデータを組み合わせて,実証分析用の独自データベースの構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により,研究活動に様々な制約が生じた。まず,遠隔授業などの準備のため例年よりかなり多くの時間を教育に費やすことになった。さらに,出張の制限や各地の図書館の利用制限により,研究に必要な資料にアクセスすることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年5月時点では,新型コロナウィルス英国型変異株が蔓延し,さらにインド型変異株も国内で感染者が確認されており,令和2年度よりも状況は悪化している。この状況が続くようであれば,研究活動を継続することは難しい。 ワクチンなどの普及により,早期に新型コロナウィルスの感染拡大が終息すれば,残りの期間で研究を進めることはできると思われる。 ハイブリッド授業を強制されたり,研究資料へのアクセスに制限がある状況は個人の努力ではどうすることもできない。研究者が管理可能な範囲でできる限りの努力はしているし,今後もするつもりである。
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Causes of Carryover |
実証分析のために購入する予定だった数値計算ソフトウェアが値上げしたため,購入することができなかった。そのため,計算ソフトはサブスクリプション契約することになった。このことにより当初の予算計画と誤差が生じたため。 次年度使用額は令和2年度に購入予定だった数値計算ソフトウェアの購入代金に充当する予定である。
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