2020 Fiscal Year Research-status Report
女性管理職はいかにして育つのか:職場環境・家族関係・リーダーシップ教育からの検討
Project/Area Number |
20K13668
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
岡村 利恵 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特任講師 (30826607)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 女性管理職 / コンピテンシー / リーダーシップ教育 / ワーク・ライフ・バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
リーダーシップ観やコンピテンシー、昇進意欲に関して、日本の大手企業に勤める女性管理職から得た量的データの分析を進め、2本の報告書論文(日本語及び英語でそれぞれ1本ずつ)と1本の国際学会報告を行った。国際的に見ても日本の女性が管理職を占める割合は低く、このことが量的データの収集を困難にしていると言える。しかし、本研究では郵送法を用いて300を超える個票データは得ることが出来た。調査票は職場環境、家族、高等教育、リーダーシップといった多角的な視点で設問が構成されており、これまで母数の少なさから女性管理職の実態が十分に把握されてこなかったことを考慮すると、非常に貴重なデータであると評価できる。これまでの分析で明らかになったこととしては、一般職で採用された女性が現在管理職となっているケースが相当数ある、管理職であっても部下が存在していないケース、または評価権限がないというケースが相当数ある、職位によってリーダーシップ観に有意な差がある、高等教育としてリーダーシップ教育を受けた経験は極めて少ない、コンピテンシーの自己評価が高い、上司からの期待が昇進意欲を高めてる、仕事へのモチベーションは子どもの有無とは関係ない、等が挙げられる。先行研究を整理し、調査目的を明確にした上で調査票を設計したため、記述統計だけでも女性管理職に関して非常に多くの知見が得られている。今後も分析を進め、より多くの知見を蓄積し、分析結果の解釈に悩む部分についてインタビュー調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査項目を精査して調査票を設計したため得られたデータの質が高く、予備分析の結果についてすでに3本の報告書論文も発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はパス解析として分析を進めスピード感を持って論文投稿を進める。また分析結果の解釈に悩む部分についてはインタビュー調査を実施する。
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