2022 Fiscal Year Research-status Report
日米豪の〈男らしさ〉規範の受容と抵抗――伝統的規範の変容をめぐる比較社会学
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20K13671
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
齋藤 圭介 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (60761559)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 選択的中絶 / 中期中絶 / 出生前診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文化的要因である〈男らしさ規範〉に着目し、日本の男性が抱える〈男性であること〉の規範的意識とその実態を、受容と抵抗という視点から国際比較をしながら明らかにするものである。3年目にあたる今年度は、引き続きコロナ禍により海外出張が禁止・自粛が続いた状態であり、海外調査の実施には前年につづき残念ながら至らなかった。そのため、国内調査を重点的に実施した。 とくに今年度は、本研究課題に関連する史料の収集と整理を行いながら、研究計画に基づき、以下の課題を遂行することができた。 (1)本科研調査の知見も援用しながら、関東社会学会『年報社会学論集』(35)に「理論という実践」を掲載することができた。(2)学会発表は、(a)NWECフォーラム2022「男女共同参画推進フォーラム」 にて、「出生前診断を経た後期中絶と男性――生殖補助技術が促す男性の当事者化とその争点」(2022年12月17日)、(b)第95回日本社会学会大会(シンポジウム:生殖補助技術と多様化する親密性のデザイン――親密性を再定義する実践の検討)にて、「生殖補助技術がもたらす男性の当事者化――男性不妊と選択的中絶をめぐる論点と争点」(2022年11月13日)、(c)国際ジェンダー学会にて、「選択的中絶と男性をめぐる論点と争点」を行った。 上記のとおり、研究実績として論文1本、学会報告3回と、研究成果を刊行・報告することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外出張の実施が難しい状況が続いているが、国内調査は成果の刊行も含めて実施することができた。本科研調査に基づく投稿論文・学会発表はコンスタントに成果をだせており、研究成果の公開についてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目にあたる次年度は、当初の研究計画をふまえ、本年度の研究結果をさらに充実させ進展を図る方針である。 とくにコロナ禍のため実施できていない外への現地調査を追加で行うことを予定している。すでに2023年6月と8月に海外調査にいく計画を具体的にたてている。その成果を、論文や学会等を通じてさらに積極的に公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による海外調査の実施ができなかったため。 2023年度に海外調査を最低でも2回実施することをすでに決定している。
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