2021 Fiscal Year Research-status Report
Institutional policy study of cooperative sports club as an effective hub of social business network.
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20K13680
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
張 寿山 明治大学, 研究・知財戦略機構(和泉), 研究推進員 (30838173)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法人格 / スポーツ・アソシエーション / 総合型地域スポーツクラブ / 社会関係資本 / スポーツの公益性 / 協同組合 / パトロン / 非営利組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年よりの世界的なコロナのパンデミック状況は、昨年度も一年間継続し、海外渡航を伴う現地調査をほぼ不可能としており、研究計画を根本的に見直さざるを得なくなっている。この間、可能なアプローチとして文献調査をもとに、本研究テーマに関する学会発表を行なった。 2021年9月 日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会においては「アソシエーションとしてのスポーツ事業組織についてー新制度派経済学・組織の所有理論による合理的なスポーツ事業モデルの考察」と題し、スポーツ事業組織に対して経済学の組織理論を当てはめることで、スポーツという事業に望ましい組織形態について考察した。2022年3月 日本スポーツ社会学会 第31回大会においては「スポーツにおける資金循環の視点からのスポーツ非営利法人のニーズについての考察ーリーグピラミッド構造における下位リーグクラブの役割と重要性」と題し、営利性の高いプロフェッショナルから全く営利性を持たないグラスルーツまでを含む競技のリーグピラミッドを一つの事業として捉え、それぞれのレベルにおいて好ましい事業組織モデルを、英独日のサッカーリーグピラミッドを題材にして考察した。この二つの発表内容を下敷とした2本の論文を学術誌に対して投稿しているが、残念ながら未だ採用には至っていない。 一方で、国際的な研究者の実績紹介サイトであるReserchGateにこれまでの関連論文や学会発表資料を公開しているが、既読数が2022年5月時点で3,500を超えており、本研究テーマに対して多くの関心が寄せられていると思われる。2022年3月に行った学会発表動画は、公開後2週間で60を超える既読者が記録されており、多くの研究者に本テーマに関心を持っていただけており、なるべく早く学術論文という形でこれを公開できるように努力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度には最低1回は海外調査を行い、それに基づく論文の準備を始められることを期待していたが、海外渡航に伴う出入国時それぞれ必要とされる隔離期間の要求、調査先の受け入れ同意獲得の難しさ、さらに単独渡航による調査において、渡航先にてコロナ感染をした場合の処処のリスクに対する対応の難しさから、実行はできなかった。 また、この間に執筆した2本の論文も、残念ながら査読者との間の見解の相違が大きく、採択に至っていない。以上の理由から、残念ながら進捗状況は遅れていると言わざるをえない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやく日本でも海外渡航者の受け入れが開放されつつあり、主な調査先としている欧州諸国においての入国制限も解除されつつある。一方で、調査先の受け入れの許諾獲得、また単独渡航におけるコロナ感染時のリスクヘッジについての解決策については、問題として残っている。 当面、現在修正中の論文2本の学術誌への投稿、採用にまず取り組み、同時に現地調査をすべき内容を再度精査し、少ない回数で確実に研究目的に合った調査ができるような計画を再考したい。
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Causes of Carryover |
助成金で計画していた用途のなかで主要な比率を占めている国外実地調査や学会参加が、世界的なコロナのパンデミック状況の改善が見られず、全く実施できなかった。今年度以降、実地調査を可能とすべく、調査計画の見直しをおこなっている。回数は限られる一方で、渡航費が従来の計画よりは高騰しており、少ない回数で多くの成果を期待できる計画を策定したい。
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