2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K13695
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲 修平 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (60732401)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自営業 / フリーランス / 職業経歴 / ウェブ調査 / 二次分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実施状況は,学術論文等(4本)と学会等(2本)の成果を挙げたことである.採択1年目は受入研究機関の研究環境を十分に活用し,量的調査を遂行しつつ,2021年度以降の研究の土台となる論文を刊行することに重点を置いて活動を行なった.以下,主な研究実施状況を報告する.なお,【1】,【2】等の表記は後述の業績リスト番号に対応している.【1】「日本における自営業の変遷──地域別にみる雇われない働き方の仕事環境」(日本政策金融公庫論集)は,なぜ2000年代以降においても若年・壮年世代が自営業へ参入を続けているのかを,仕事環境の変化(仕事に対する裁量・職業能力を発揮する機会・生活と仕事の調整など)に着目してミクロデータに基づいて都市部と地方部の比較から検討した.【2】「自営業の衰退と再生─雇われない働き方をどう支えるか」(櫻井純理編,『どうする日本の労働政策─いま社会政策に何ができるのか②』ミネルヴァ書房の第10章)は,現代日本の自営業をマクロデータから概観したうえで,自営業者の生活を支える制度の不在がもたらす問題と研究課題を示すことを試みた.【3】「コロナ禍における自営業者のセーフティネット─持続化給付金制度の利用は事業継続に寄与したのか」(労働政策研修・研究機構ディスカッションペーパー)は,コロナ禍における緊急支援策の一つである「持続化給付金制度」の利用が自営業者たちの事業継続にどのような役割を果たしたのかを,JILPTによるフリーランス調査を用いて検討した.【4】「変化の向き等を区別したパネルデータ分析の実践─それでも使いたいあなたに」(東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクト・ディスカッションペーパーシリーズ,有田伸教授との共著)は,「変化の向きや非変化時の状態を区別したパネルデータ分析」を行うために,一般的なパネルデータ分析モデルとの相違を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,自営業・フリーランスに関するウェブ調査の実施(2021年2月),学術書(分担執筆1本),学術雑誌における掲載(1本),ディスカッションペーパーの刊行(2本)などを通して研究の進捗があったため,「おおむね順調に進展している」と自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,これまでの量的調査と質的調査の結果を踏まえて,学会等での報告を予定している(社会政策学会・日本社会学会・数理社会学会等).そこで得られたコメントを踏まえて,著書(分担執筆),報告書論文および投稿論文の執筆に取り組む.
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Research Products
(6 results)