2021 Fiscal Year Research-status Report
"Homes" and "Families" as Children's Rights in a period of family diversity :a Comparative Study of Japan, U.K. and France
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20K13698
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 藍 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20750441)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 家族の価値(Family Values) / 子どもの最善の利益 / 社会的養護 / 社会的養育 / 家庭養護 / 子どもの権利 / 家族の多様化 / ケアの社会化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度まで、英語文献・仏語文献の収集を進めたほか、既存調査結果の論文化(近刊)、関連する文献の監訳を担当した。いずれも、日本の里親養育を相対化する観点から行っている。文献収集ではとりわけ、里親が職業として確立しているフランスにおいてその職業化をめぐる経緯や当事者の認識を明らかにした論考を中心に集めた。また、既存の国内およびイギリスでの調査から、里親養育のバリエーションを示す事例報告を執筆した。早稲田大学社会的養育研究所の翻訳プロジェクトとして、セクシュアルマイノリティの里親養育に関する論文監訳等も担当し、本研究との関係は間接的ながら、異性愛夫婦による里親養育が依然として所与のものとされがちな日本と比した国際動向を紹介することができた。 本来は国内外の調査を進める予定であったが、2020年度に続き2021年度も、繰り返す新型コロナウイルス感染症流行の影響を鑑み、子どもたちの集う養育現場への調査ならびに海外に赴いての調査は見合わせざるを得なかったため、当初の計画とはやや異なる取組を行った。これに加え、2021年度は産休・育休を取得し調査研究を中断することとなったのも一因である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の文献調査を進め、関連テーマでの成果も順次公開予定である。一方養育現場へのフィールド調査は、既存の対象者とのネットワークは保っているものの、新型コロナウイルス感染症の影響で国内外調査ともに見合わせている。また、2021年度に産休・育休を取得し調査研究を中断せざるを得なかったことから「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の問題関心に即しつつ、状況をみてアプローチを変更して課題を遂行していく。 まず、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって中断していた国内調査を再開する。とくに子どもの立場に軸足をおいた課題に取り組みつつ、海外文献のまとめ、既存の調査の論文化も継続して行う。 また、海外のフィールド調査についても、2022年度は現地への訪問が可能であれば実施したいが、可能な限り文献収集やオンラインでのヒアリングに舵を切る。そのうえで、2023年度に改めて海外のフィールドへ出向くことを検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、2020年度に海外調査に赴く予定であったものが、新型コロナウイルス感染症の流行によって実施できなかったため、また2021年度の出産による研究中断のためである。2022年度前半はオンライン会議準備や文献収集に要する費用等に充てる。海外調査が可能になり次第実査の調整に入り、渡航費やコーディネーター謝礼等具体的に検討していく。
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