2023 Fiscal Year Research-status Report
公立小中学校教育における発達障害支援の実証的研究―「学校文化」の比較―
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20K13712
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Research Institution | Tokyo Online University |
Principal Investigator |
櫛原 克哉 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 専任講師 (00814964)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害 / 公立小中学校 / 学校文化 / 教育 / メンタルヘルス / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究4年目にあたる2023年度は、公立小中学校の教職員や発達障害の支援者等を対象に実施したインタビュー結果の分析を進めた。継続して取り組んでいる論点として、①発達障害と推定される児童や生徒の特徴が学校ごとに異なりやすく、一定の傾向性やパターンを示すこと、②発達障害の児童や生徒への支援の糸口となる「発達上の課題」の発見と支援につなげる段階において、これを困難にする複数の構造的要因(相談先の不在や保護者との関係性など)や、教育現場における発達障害の「医療化」への慎重さがある場合に、支援のネットワーク形成に影響を及ぼすことがある。これらの論点を中心に引き続き文章化・論文化の作業を進めている。また、発達障害をめぐる公立小中学校の取組みについて言及している文書や資料を収集し、上述した論点との関連からも分析を進めている。 2023年度の関連する研究実績として、論文「繁茂するメンタルクリニック――診断の普及で救われる人、救われない人 」『中央公論』137巻5号96-103頁や、論文「精神科病院の長期入院および脱施設化の動向に関する考察――東京都多摩地域の病院スタッフを対象としたインタビュー調査から 」『社会学評論』74巻4号782-799頁がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、これまでに得られた知見のアウトプット(文章化・論文化)の作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した教職員を対象としたオンライン・インタビューから得られた知見と、これまでの調査研究から得られた知見を統合して、研究成果をアウトプットしていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19等の感染症拡大の影響が続き、フィールド調査や対面インタビューが制限され、年度内の予算執行ができなかったためである。
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