2020 Fiscal Year Research-status Report
新たなソーシャルサポートとしての<よりそう支援>のモデル化に関する研究
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20K13714
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
大原 ゆい 大谷大学, 社会学部, 講師 (50725174)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソーシャルサポート / 省察的実践 / <よりそう支援> / ソーシャルワーク / 福祉実践家養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染拡大の影響により、対面でのインタビュー調査の実施などが困難となったため、当初の研究計画を一部変更して研究を進めた。 具体的には、2019年度に発表した「地域福祉実践が内包する<よりそう支援>の構造分析による実践家モデルに関する研究:ドナルド・ショーンの省察的実践者(Reflective Practitioner)を手がかりに」(博士論文)の研究成果をふまえて、さらに<よりそう支援>に取り組む実践者の状況を明らかにするために、オンラインによるインタビュー調査を行った。とくに、<よりそう支援>に取り組む実践者のなかでも、若者支援に取り組む実践者、視覚障害者の支援活動に取り組む実践者を対象に、近年の活動動向の把握や、支援者としての特徴、などを聞き取った。 これらの研究の成果をもとに、「省察的実践」という視点から研究を深め、日本社会福祉学会で「「共有の支援」から「共感の支援」への変容に着目した省察的実践の分析」を報告した。また、日本の地域社会において本研究がテーマとする「今日的な福祉問題」に取り組む実践とその社会的な位置づけを射程に入れながら「少女・若年女性支援の現状と課題」をまとめている。さらに、日本における地域実践の動向をより相対的にみる手がかりとして、イギリスの家族介護者支援に取り組む省察的実践者の研究も進め、この成果は「家族介護者支援の実態と課題-イギリスの介護者支援団体調査から-」として論文にまとめ、公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査を通して、<よりそう支援>に取り組む実践者の状況を明らかにするための手がかりを得ることができた。また、イギリスにおける実践実態をまとめることができ、この研究成果は、今後、本研究において考察を深めるに際しての示唆となり得ると考える。 その一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初予定していたインタビュー調査などを計画通りに実施することができず、十分に調査データを取得できたとは言い難い状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染拡大状況を考慮しつつ、オンラインおよび対面でのインタビュー調査を併用する。ただし、新型コロナ感染拡大状況が継続するような場合は、研究計画を一部変更し、理論研究を追加的に行うことも検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大の影響により、当初予定していた対面でのインタビュー調査が実施できなかった。具体的には、インタビューを対面方式からオンライン方式に変更して実施したため、旅費の支出が生じなかったこと、また研究成果報告を行う予定としていた学術学会が中止となり、旅費や学会参加費といった経費が発生しなかったことにより次年度使用額が発生している。 次年度は、感染拡大状況を見つつ、可能な範囲で現地に赴いて今年度実施を見合わせたインタビュー調査を実施するとともに、オンライン方式でのインタビューも合わせて実施する予定である。助成金は、インタビュー実施にかかる旅費や専門的知識提供への謝金として使用するとともに、状況に応じてオンラインによるインタビュー実施に必要な物品の購入、さらには、理論研究を深めるための文献購入に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)