2023 Fiscal Year Research-status Report
The Multi-faced Studies of Japanese Colonial Education on the Ainu from 1890 to 1937
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20K13716
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 和美 名古屋学院大学, 外国語学部, 講師 (90826562)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アイヌ / 北海道 / 帝国 / 吉田巌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、小谷部全一郎によって1905年に創立された私立の虻田実業学校(虻田学園)や他近代アイヌ学校で日本人教師として務めていた吉田巌(1882年ー1963年)の史料を精読して、論文を刊行した。未だ吉田の人物像やアイヌ学校での実践について研究が発展していない状況であるが、残された史料より、特に吉田が抱えていた「苦悩」や教育の場を通じてアイヌ児童と共有していた「沈黙」等を手がかりにしながら、資料を読み返し、ミクロな視点より北海道の植民地主義の分析を行った。論文は、 "The Double Missions of Ainu Education and Ethnography in Hokkaido, Japan: Yoshida Iwao’s ‘Unspeakable’ Moments and Intersubjectivity of Despair”(名古屋学院大学論集60巻4号、133―153頁)として、2024年3月に刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、吉田巌関連の史料を読み直しながら、英語での論文刊行をすることが出来たが、博士論文をベースにした書籍のための執筆が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
補強しなければいけない箇所を書き上げ、博士論文をベースにした英語での書籍出版に向けて執筆を進めていく予定である。また、出版社との連絡を続け、英語での出版が可能な出版社と連絡を取っていき、適切な出版社との契約を進める。2024年3月にシアトルにてAssociation for Asian Studiesの学会開催期間中に、Global Asiasシリーズの書籍刊行について、編集長であるTina Chenと Charlotte Eubanksと面談をして、まずは論文出版から始める等などのアドバイスをもらった。
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Causes of Carryover |
今年度は論文執筆に集中したため、新たな史料調査を行うことが出来なかった。最終年度は残している北海道史料調査を行う予定である。
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