2020 Fiscal Year Research-status Report
施設入居高齢者が食生活で重視する項目の具現化および、現在の食生活との関係の究明
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20K13722
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 麻以 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (70826320)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食生活 / 価値観 / 高齢者 / 施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、有料老人ホームなどの施設に入居している高齢者の食生活に着目する。特に高齢者の健康に密接に関わる食に関する介入(e.g. タンパク質を一定量摂る)は全国的に広く行われているが、物理的な介入の他に、高齢期における食に対する価値観に関する知見は未だ解明の余地が残る。その価値観を理解した上で、健康を保つ食生活を誘導できると考え、本研究では高齢者の食の価値観の具現化を目的とした。さらに、地域在住高齢者と比べ、施設に住む高齢者は食堂設備などで食生活は充実するものの、家族以外の入居者が食事の場面に居合わせるなど、食生活に関する制約を受ける場合がある。よって、本研究は施設在住高齢者に着目した。 価値観を具現化するために、まずは心理学の分野で取り扱われるラダリング法を用い、高齢者が食に対して感じている価値の項目(e.g. 栄養をとるため、家族と交流するため)などを明らかにする。食事のシナリオは日常生活と、晴れの日の食事の2パターンに分け、平常時に食事に求める項目、晴れの日に食事に求める項目を整理する。明らかになった項目と健康アウトカムをアンケート調査として調べ、両者の相関を解明する。健康アウトカムは身体の状態のみならず、精神的健康状態にも着目し、食の価値観との関連を調べる。 本研究で高齢者の食事に対する価値観が明らかになることにより、高齢期における食事の介入の効果を底上げできることを期待し、本研究に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の第一段階として、ラダリング法を用い、高齢者の価値観を具体的に抽出することを目的としていた。しかしながら、新型コロナウイルスの流行により、第一段階の調査に踏み出せずにいる現状がある。特にラダリング法はオンラインでの実行が難しく、一旦研究計画自体を練り直す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、ラダリング法を行うことを第一のステップとしていたが、対面での長時間の会話が必要な本方法ではその工程に取り組むことができなかった。そこで、オンラインでの短時間の会話で済むインタビュー法に切り替えて調査を行うと同時に、アンケート調査の工程を早めて行えるよう研究計画を調整する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により、対面の調査が行えなかったため。次年度は調査計画を変更して内容を詰めるとともに、施設の訪問が可能になり次第実施予定だった調査を行う。
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