2020 Fiscal Year Research-status Report
中学生の学習支援を目的とした子ども食堂の効果検証と普及に向けたモデルの構築
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20K13740
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
池田 晋平 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (90764936)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども食堂 / 学習支援 / 中学生 / 子どもの貧困 / 参加型アクションリサーチ / フードパントリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中学生を利用対象とした学習支援を目的とする「子ども食堂」(以下,本事業)に対し,参加型アクションリサーチの手法で適宜プロセス評価を加え,1年経過した後の短期効果を検証することを主旨としていた.だが,わが国でCOVID-19の感染が拡大し,2020年の第1回目・第2回目の緊急事態宣言で人と人との接触を削減する国民への要請や,感染予防対策として「3密(密閉・密集・密接)」の回避が社会的に定着したことから,2020年度は本事業を開催できていない. しかしながら,COVID-19の流行下において,子ども食堂の新たな取り組みとして注目されているのが「フードパントリー」である.フードパントリーとは「食品の保管庫」という意味で,ひとり親や生活困窮者など,生活困窮者に食料を無料で配布するものである.そこで本事業は,今年度の計画を一部変更し,このフードパントリーの活動を通した効果検証を試みている.具体的には,研究代表者所属の作業療法士養成校のA大学(以下,A大学作業療法学科)が近隣の「子ども食堂B」に協力する形で,2020年12月にフードパントリーを開催した.この活動にA大学作業療法学科の学生(以下,OT学生)が参加し,実際に食料配布に携わった.このように2020年度の研究は,子ども食堂におけるフードパントリーを経験したOT学生が,どのような学びを得たのか明らかにすることを主旨としている. 研究の進捗として,OT学生の2年生7名,1年生3名の計10名に半構造化インタビューを実施し,現在,質的記述的分析にて分析している段階である.2021年度上半期には研究成果を上梓する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は,中学生を利用対象とした学習支援を目的とする「子ども食堂」を予定通りに開催できていないことが理由である.その背景には,COVID-19の感染拡大による2020年の第1回目・第2回目の緊急事態宣言や,感染予防対策として「3密(密閉・密集・密接)」の回避が社会に定着したことがある.2021年度については,感染予防に留意し本事業を再開させたい.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,以下の方針で本研究を進める. 1.2020年度に取り組んだ,子ども食堂におけるフードパントリーを経験したOT学生の学びというテーマの研究について,分析・論文執筆を進め,研究成果を報告する. 2.COVID-19の感染予防対策に万全を尽くし,2021年度6月より,中学生を利用対象とした学習支援を再開する.その上で,当初計画していた通り,本事業に対し適宜プロセス評価を加え,1年経過した後の短期効果を検証する.
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Causes of Carryover |
2020年度は,COVID-19の感染拡大の影響から,本研究の事業に当たる中学生を利用対象とした学習支援を目的とする「子ども食堂」を予定通り開催できない状況であった.そのため研究全体の進捗が滞り事業に掛かる諸経費の執行も限定的となった. しかし2021年度はCOVID-19の感染予防対策に万全を尽くし,本事業を全面的に再開する予定にあり,本事業の参加者・運営者のワークショップ等を開催しプロセス評価を行うなど,当初の計画通り予算を執行する.
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