2022 Fiscal Year Annual Research Report
デイサービスでの仕事プログラムが,利用者・家族・職員に与える影響の検討
Project/Area Number |
20K13751
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Research Institution | Urawa University |
Principal Investigator |
栗延 孟 浦和大学, 社会学部, 特任准教授 (50584512)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デイサービス / 仕事プログラム / 利用者の主体性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,デイサービスにおいて,利用者が施設で机拭きや洗濯ものたたみなど,日常生活上の「仕事」ができる環境を施設職員がつくり,利用者や職員に与える影響について検討した。縁故法により,協力施設を募った結果,認知症対応型通所事業所1件から協力を得ることができた。 研究者と協力施設職員と協力しながら具体的なプログラムを決めていった。仕事内容として,アルコールスプレーを使用した机拭き,入浴準備(翌日の準備),洗濯物干し,食器拭き,畑水やり,手芸準備,利用者ノート用献立表折り,鉛筆削り,メモ用紙作り,シーツ交換,洗濯物たたみ,下膳(各1ポイント)とし,ポイントに応じて,利用者がデイサービス内でつけている名札の縁の色を変えていくこととした。 本プログラムは「特定の施設や職員だからできる」というものではなく,どこの施設でも実践できることを目標として作られたが,本研究においても先行研究とは別の施設でプログラムを実践することができた。 利用者,職員,家族にアンケート調査を実施したが,統計的な結果を得ることはできなかった。今回協力していただいた施設は,利用者の活動に従来から力を入れている施設であり,管理者のリーダーシップのもと,畑作業など,利用者が得意なことを意識した活動が実施されている施設であったことが背景にあったと考えられる。 しかし,現場の観察や職員への聞き取り調査から,本プログラムを実施することにより,利用者間のコミュニケーションの促進,利用者の主体性を高める可能性が示唆された。本研究でも先行研究でも,利用者が職員に「やること」がないか尋ねるようになっており,利用者にとって施設が一方的にサービスを受ける場ではなく,自身のやりたい活動ができる場として認知されていることが伺えた。
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