児童生徒の自己肯定感に影響する都市部の就学前父子関係支援の在り方

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K13756
• Research Institution: The Dia Foundation for Research on Ageing Societies
• Principal Investigator: 田中 元基 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 客員研究員 (10829526)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 地域子育て支援拠点事業 / 父子関係

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、未就学児の父親に対する質問紙、地域資源を利用している父親への半構造化面接と参与観察を通じ、父親の子育てに関する地域資源に対する理解、利用の阻害・促進条件や利用実態、利用に至るプロセスを明らかにすることを目的としている。
本年度は、未就学児の父親を対象に、子育てに関する地域資源利活用促進・阻害要因を明らかにする質問紙調査を予定していた。しかし、コロナウイルスの感染拡大にともない、当初予定していた調査を実施することができなかった。そのため、本年度は、（１）本研究の対象となる地域における地域資源（地域子育て支援拠点事業）に関する分析、（２）次年度の面接調査に向けた未就学児の父親に対する予備的調査を行った。
（１）本研究の対象となる地域における地域資源（地域子育て支援拠点事業）に関する分析：本研究のフィールドとなる政令指定都市において、地域資源の一つである地域子育て支援拠点事業を父親がどの程度利用しているかについて、過去の地域子育て支援拠点事業（21施設）の利用者実績について分析を行った。その結果、実績の記録されていた2010年度から2019年度にかけて、父親の利用率が増加していることが明らかになった(全体では約3%の増加。増加率の最も高い施設では6%、最も低い施設では1%)。
(２)次年度の面接調査に向けた未就学児の父親に対する予備的調査：地域子育て支援拠点事業を利用している父親に対し、地域資源利用に関する予備的な聞き取りを行った（新型コロナウイルスによって閉館していたが、緊急事態宣言明けに開館した施設において実施）。地域子育て支援拠点事業に関しては、①物理的なアクセスのしやすさ、②子どもが十分に遊ぶことができるかという２点を重視して父親が利用している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスの流行にともない、本年度実施の計画をたてていた質問紙配布を予定通りに行えなかったため。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、新型コロナウイルスにより、対面での質問紙配布などを行うことが制限された。そのため、新型コロナウイルスの感染状況に大きく影響を受けない形での研究実施へ計画を調整していく。具体的には、質問紙調査をオンラインで実施。半構造化面接はウェブ会議システムなどを援用し対面・オンラインを選択しながら行えるようにする。

Causes of Carryover

本年度実施予定であった質問紙調査が新型コロナウイルスの影響により配布することができなかったため、質問紙の準備及び返送用の費用やデータ入力費用が発生しなかった。本年度使用しなかった金額に関しては、次年度、当初から計画されていた調査に加え、本年度実施できなかった調査（質問紙をオンラインで実施）を行う。