2022 Fiscal Year Research-status Report
施設内虐待の兆候発見に向けたセルフチェックシートの開発に関する研究
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20K13768
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
松岡 佐智 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (00405557)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 施設内虐待 / 兆候発見 / セルフチェックシート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、実際の介護老人福祉施設で活用可能なセルフチェックシートの開発と活用システムを明らかにすることを目的としている。今年度も、昨年度に引き続き、介護老人福祉施設は、新型コロナウイルスの感染状況拡大の影響を強く受けていたこと鑑み、調査等は実施せず、研究代表者がこれまで実施してきた調査結果と文献研究から、セルフチェックシートの構成要素を整理とセルフチェックシステムの流れを検討した。 まず、構成要素は、①虐待行為及び不適切ケアについての実態及び認識に関する項目,②虐待防止の取組みについての認識に関する項目,③職員の関係性・業務に関する認識に関する項目,④職員の抱えるストレス状況に関する項目,の4要素に整理し、各項目の目的と具体的な項目,対応する発生要因について検討した。 さらに、セルフチェックシステムについては、STEP1~STEP4までの4段階に分類し、検討した。①STEP1では,施設内の虐待防止委員会等を中心に,セルフチェックを行う4要素の具体的項目を確定する。②STEP2では,施設内の全職員によるセルフチェックを実施する。このセルフチェックは,職員や施設の負担等を考慮し,4要素を同時に実施する必要はないと考えるが,全職員同一の要素を同時期に実施する。③STEP3では,セルフチェック結果を集約し,その結果に基づき,職員の認識状況及び施設の課題を把握する。さらに,セルフチェックで明らかになった職員の認識状況や施設の課題については,幹部職員や虐待防止委員会等が把握するのではなく,各職員も自らが勤務する施設の実態について理解する必要があるため,結果の共有を行う。④STEP4では,STEP3で明らかになった施設の課題を踏まえ,課題解決に向けた研修や組織マネジメント改善を行う。 次年度は今年度の研究結果を踏まえ、活用可能なセルフチェックシートを作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度も、特に介護老人福祉施設は、新型コロナウイルスのの影響を強く受けており、施設のクラスターや職員の感染に伴う業務過多に伴い、施設でのヒアリング調査を実施や郵送調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、研究計画を変更し、セルフチェックシートの構成要素の作成とチェックシートを用いたシステム案を検討した。次年度は、この結果を基に、郵送調査を実施し、具体的なチェックシートの内容を確定を行う。インタビュー調査については実施しない予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度実施を予定していたヒアリング調査及び郵送調査を実施することが出来なかったため、研究費を予定通りに執行することが出来なかった。研究期間を延長し、次年度郵送調査を実施する予定である。
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