2020 Fiscal Year Research-status Report
子どもの基本的信頼感を育てる里親の養育スキル-食生活、実親の話題を中心に-
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20K13779
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
福島 里美 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (70532729)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実親交流 / 食習慣の違い / 里親養育 / 食生活 / 試しではない行動 / 試し行動 / 愛着形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年は、実親交流に関して里親への面接による予備調査を行った。 その後、コロナ禍での対面調査が制限されたため、zoomを活用しながら、本研究のテーマである子どもの基本的信頼感に関わる課題やニーズを確認した。 2020年10月、日本子ども虐待防止学会第26回学術集会いしかわ金沢大会の公募シンポジウムに参加した。「社会的養護における子どもと養育者の心の通い合い:難しさと糸口」をテーマに、社会的養護の分野の支援者や研究者とで、情報交換を行った。筆者は「里親養育に関する心理学的アプローチから」を話題提供を行った。 シンポジウム後、参加者である里親経験者から、「里子の問題行動が、試し行動なのか、それ以外の要因なのかが分からず里親が困ることがある。それを心理学の視点から教えてもらえたら、里親は助かる」といった意見をいただいた。 これまでのニーズ調査と過去に集めた面接データ、および既に発表した論文をもとに、里子の行動について、試し行動か、試しではでない行動かという視点から分析をした。論文だと、里親の目に触れないことから「試し行動と試しではない行動を乗り越える里親」というタイトルで書籍を執筆した。その中で、食生活に関するテーマも整理した。「試し行動」としての食生活の課題には、「飲食の要求」「食行動の逸脱」「ママの料理の方がおいしいと言う」といった事例が挙げられた。一方、試し行動ではない食生活の課題には「施設と里親との食習慣の違い」や「食事を与えられなかった経験」が食行動に及ぼす影響について、データをもとに考察し、里親の具体的対処法を記述した。さらに、愛着理論の観点から、里親子の愛着形成のプロセスについても、予備データをもとに整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で対面の調査が制限される中で、これまで集めた予備データの分析を進めている。 オンラインの学会シンポジウムで情報交換から、里親経験者に「試し行動かどうかを知りたい」というニーズがあることが分かった。そこで、食事を通した親子関係の形成について、「試し行動」か「試しではない行動」かという観点から、食生活の課題をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、里親経験者の意見を取り入れる形で、「試し行動」かという視点から研究データをまとめたが、この「試し行動」かどうかという分析に該当しなかった対処法も数多くある。引き続き、食行動への対応について分析を重ね、論文にまとめたい。「実親に対する子どもの思いをどう支えるか」についても、引き続き分析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、学会や研究会等がオンラインで開催され、交通費を使わなかった分、残額が生じた。 次年度は、この分を論文投稿のための英文要約の委託費に充てることとする。
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Research Products
(2 results)