2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症ケア実践における外国人介護士の異文化ストレスおよびケア困難感の実態調査
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20K13785
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
森山 小統子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (30751581)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異文化間ケア / 外国人介護士 / 外国人技能実習生 / 認知症ケア / 高齢者ケア施設 / 施設入所高齢者 / 異文化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の介護分野における慢性的な人材不足は深刻な課題である。日本では2008年以降、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシア人、フィリピン人およびベトナム人の介護福祉士候補者の受け入れを開始し、2019年までの11年間で累計5,026人が入国した。2017年に在留資格「介護」が創設され、2019年4月には介護分野における特定技能実習制度が開始された。2019年に入国した介護分野の技能実習生の総数は8,967人であり、EPAによる入国よりはるかに多い。今後も介護分野における技能実習生の入国は増えることが考えられ、高齢者ケアの場における多文化化は急速に広がる。 今後、わが国の高齢者ケアの質を担保していく上では、外国人介護士が慣れない日本の介護現場に適応し、対応の難しい認知症ケアに対するケアスキルを獲得しながら就労継続できるよう支援していくことが求められる。 現在、介護分野における在留資格制度の拡大によって、外国人介護士の社会・教育的背景が多様であるが、介護施設で認知症ケア実践をする外国人介護士の実態は明らかとなっていない。本研究では、介護施設で認知症ケア実践をしている外国人介護士の自国でのケア経験や教育および社会的背景を把握するとともに、精神的健康度とストレス対処状況についての実態を明らかにすることを目的にしている。 開始年度より、老人保健施設または特別養護老人ホームで1年以上の認知症ケア実践を行っている外国籍をつ介護士12名を対象に、個別のインタビュー調査を行った。現在、結果について質的に分析を行っている。2年目となる本年は、実施したインタビュー調査を踏まえ、質問紙調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、インタビュー調査によるデータ収集に時間を要したことと、想定外の教育業務が生じたことで、研究に充てられる時間が減少したことが主な要因である。文献検討とデータ分析にやや遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、高齢者ケア施設で認知症ケアに従事する外国人介護士を対象に質問紙調査を実施する。国籍、自国でのケア経験、看護・介護に関連する教育的背景、看護師資格の有無、語学習得状況等についての実態を把握するとともに、精神的健康状態およびストレス対処状況との関連について調査する予定である。10月までに対象施設に郵送し、12月までにデータ収集を完了する。その後、データ分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究計画にやや遅れを生じているため、データ分析に必要なPC購入を次年度に見送っている。また、学会発表がオンラインとなったことで旅費が不要となった。次年度は、質問紙調査を実施し、収集したデータ分析を行う予定であることから、郵送にかかる費用、謝礼、分析に必要なPCおよび統計ソフトを購入する予定である。
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Research Products
(1 results)