2022 Fiscal Year Annual Research Report
認知症ケア実践における外国人介護士の異文化ストレスおよびケア困難感の実態調査
Project/Area Number |
20K13785
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
森山 小統子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (30751581)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人介護人材 / 文化適応 / 認知症ケア / 異文化ストレス / 認知症ケア困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年増加する外国人介護人材に対して精神的健康状態についての実態調査を行った。東海圏内にある40の介護施設に勤務し、日本語に回答可能な外国人介護士に無記名自記式質問紙調査を行った。調査期間は2022年4月~9月とし、基本属性、精神的健康度(日本版GHQ-12)、ストレス対処能力(13項目5件法版SOC)コミュニケーション・ソーシャルサポート・文化適応・経済状況について郵送法による調査を行った。所属大学の倫理審査委員会の承認を得たうえで実施し、調査票の返送をもって同意を得た。分析は、GHQ-12およびSOC-13をそれぞれリッカート採点法によって合計点を算出し、各項目との関連性をt検定・Mann-Whitney検定、一元配置分散分析により検定した。。 対象者167名に調査票を配布し82名から回答を得た(回収率49.1%)。対象概要は女性64名・男性16名。20歳代と30歳代が95.8%を占めた。出身国ではフィリピン31.3%、ベトナム22.4%、インドネシア20.9%の順で多く、在留資格は介護35.8%、EPA23.9%、特定技能19.4%であった。介護福祉士有資格者の割合は40.3%、介護経験年数は3~4年が38.8%、1~2年16.4%であった。日本語レベルは、N2・N3レベルが65.7%であった。 精神的健康度は女性で有意に低かった。介護福祉士資格を持たない者、認知症高齢者の行動理解に対して困難感のある者は精神的健康度とストレス対処能力ともに有意に低い結果がみられた。精神的健康度について健康群と不健康群に分類し、SOC-13スコアと比較した結果、不健康群では有意にストレス対処能力が低かった。 以上より、女性であることや、介護福祉士資格の取得状況、認知症高齢者への対応困難感が外国人介護士の精神的健康およびストレス対処能力に影響を及ぼすことが示唆された。
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