2020 Fiscal Year Research-status Report
矯正施設出所者への社会復帰支援に対する支持促進に関する研究
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20K13789
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
板山 昂 関西国際大学, 心理学部心理学科, 講師 (60707834)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会的包摂 / 犯罪者への偏見 / 出所者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
犯罪者への偏見と行政等の出所者支援への取り組みへの支持、および自身の身近での受け入れへの受容度の関係性、加えてこれらの関係性における再犯等の実情報提示の効果を検証するため、20代~60代までの男女2400名を対象に調査を行った。 現在、分析の途中であるが、明らかになったことは以下の通りである。「犯罪者は人格に問題がある」といった偏見が強いと、刑務所出所者は更生できないと考える傾向にあり、地域社会での出所者に対する立ち直り支援にも否定的であること。さらに、自分の身近での受け入れ・共同についての受容度は低い傾向が明らかになった。 また、「刑務所出所者でも更生できる」という考えが強いほど、地域社会での出所者に対する立ち直り支援にも肯定的であり、自分の身近での受け入れ・共同についての受容度は高い傾向が明らかになった。 これらのことから、犯罪というものが人格などの個人要因に加え、社会・経済的問題、人間関係、場の状況など様々な要因が絡み合って発生することなどを市民に理解してもらうこと、刑務所の出所者にも更生し、社会復帰を成し遂げているといった事例を示し、更生の可能性があることを示すことで、社会における犯罪者に対する偏見を低減し、更生・社会復帰に必要な地域社会での出所者支援への肯定的態度を向上させられるかを検討する必要性が考えられた。 しかし、本研究の目的の一つである実情報の提示効果の検証がまだ完了していないため、引き続き分析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍における学内業務等の増大により、当該研究に割ける時間が大幅に減少してしまい、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍での業務量増大によって進行が遅れている。また、出所者の社会での受け入れ、身近での受け入れを検討しているため、社会情勢の状況も考慮し、研究期間の延長を視野に入れている。
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Causes of Carryover |
2020年度のweb調査の実施が2021年3月になってしまい、その請求・支払いが翌年2021年度になってしまった。
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