2020 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害者とその家族への実践型集中生活援助モデルの開発
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20K13790
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
清水 大輔 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (50747045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 地域リハビリテーション / 生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1の目的は、記憶障害や遂行機能障害などの認知機能に問題を有する高次脳機能障害者が社会で暮らしていく時の困りごとに対する、介入効果を明らかにすることである。高次脳機能障害者が社会生活の中で、解決したい活動/参加に焦点を当て、人的支援またはICTツールを用いて行動を定着させるアプローチを行う。この行動の継時的変化を明示化することで、介護や支援の見通しを立てやすくし、他の社会生活行為の解決をはかる際の一助とする。第2の目的は、高次脳機能障害者の社会生活障害への介入による行動変容が本人や家族の精神心理機能や介護負担感等に影響があるかを検討することである。 Step1として、地域在住の高次脳機能障害者を対象にその人たちの生活における「活動/参加」に焦点を当てた実践的な介入を行う。焦点を当てた「活動/参加」に関しては、実際の実行場面を観察評価により階層的に課題分析を行う。その中で何をどのように支援する必要があるのかを明確化し、対象者と課題分析の結果を共有する。その介入過程の中では、どのような関わり方が良いのか、どのような環境整備が望ましいのか、改善にはどの程度の期間が必要なのかを明らかにする。いくつかの介入の組み合わせによって、実行能力の習得を図る。一定期間は良好な行動が生起される介入方法で活動を実施してもらう。その後、活動の実行能力の習熟と汎化を図ることができるように、支援の漸減や必要最低限の支援を継続していく。 Step2として実際の活動の実行場面を家族とともに観察評価し課題分析を行い実行状態を共有する。何をどのように支援すれば行動の改善や介護負担の軽減に繋がるのかという視点で、家族に対して関わり方や環境調整の方法に関するコンサルテーションを行い高次脳機能障害患者の行動の改善を図る。 しかしながら、新型コロナ感染予防の観点から十分に研究が進捗していない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年12月以降から新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、研究協力者が十分に集めることができず、研究の進捗状況は遅れている。 本研究は、地域在住の高次脳機能障害者であり、合併症を有している対象者も存在する。研究に協力してもらうに当たっては、感染予防対策を対象者やご家族にも配慮した上での実施が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、研究計画の遅れを取り戻すべく対応策を検討している。研究者と研究対象者の体調管理や日常の行動管理等を突き合わせながら、双方の感染リスクを回避しながら進められるようにする。 また、新型コロナウイルスの感染者が少ない地域での研究実施も積極的に計画していけるよう対策を検討している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、研究が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。研究の遅れを取り戻すために、対応策を検討している。
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