2022 Fiscal Year Research-status Report
「遊びの都市」の経験者にみる郷土獲得の構造とその契機
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20K13798
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
花輪 由樹 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80804377)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | こどものまち / 遊びの都市 / 郷土 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と世界の「遊びの都市」活動において、子ども時代から遊び続け、裏方として戻ってきている経験者スタッフに焦点を当て、彼らにとって「遊びの都市」はどのような「郷土」となり得るのか探ることを目的としている。また誰が準備するのかという「子ども型」「大人型」という視点からも調査し、これにより「遊びの都市」がどのような構造であれば、「自分にとって大事な場所」という「郷土」の獲得につながるのかを明らかにしようとしている。 2022年度の計画は、コロナ禍における開催実態を把握して調査地を見つけ、文献やオンラインでできる範囲の調査を進めていくことを予定していた。2020年度、2021年度に続き、国内での開催は頻繁に行われておらず調査も難しい状況にあった。国外に関しては、偶数年である2022年はドイツの「遊びの都市ミニ・ミュンヘン」の開催年であり、2020年も実施していたことから主催団体より開催情報を得て、2022年8月に2週間調査に訪れた。2020年はコロナ禍により訪問できなかったため、前回の訪問の2018年以来となり、関係している大学生スタッフの顔ぶれや参加する子ども達も変化しており、誰がリピーターであるか分かりにくい状況であった。しかしこのコロナ禍において「遊びの都市」で遊んだことがある経験者の若者達が、オンラインシステムを構築するなどの活躍を見せていた。本研究で解明しようとしている「自分にとって大事な場所」となるきっかけが、災害など誰もが知恵を出し合う際に活躍できる場所があることも1つの要素となりうることがうかがえた。このようなコロナ禍のドイツの「遊びの都市ミニ・ミュンヘン」の様子について学会などで発表報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年はコロナ禍が続いていたが、海外では日本よりも早く人の移動が許可されていったことから、2022年8月にドイツの「遊びの都市ミニ・ミュンヘン」に訪れた。開催はされていたが、コロナ禍であり主催者側も調査側も警戒をしていたことから、自由に調査することが難しく、開催実態の全貌を掴む程度の調査となった。したがって、これまで行ってきた「遊びの都市ミニ・ミュンヘン」の調査内容と比較しながら、コロナ禍における「都市」の特色を分析する形で、各学会で発表報告をした。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの感染状況が収まってきていることから、国内での「こどものまち」活動が復活することを想定し、開催情報を得ながら調査地を見つけていく。またこれまでの調査内容と、文献調査を関連させた考察も行い、論文などの文章にまとめ、研究成果を発信していく。
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