2021 Fiscal Year Research-status Report
小中連携での食育による朝食習慣の改善と食スキル・QOLの向上に関する縦断研究
Project/Area Number |
20K13804
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
早見 直美 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (70603744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 食育 / 朝食 / 小中連携 / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、朝食習慣を取り巻く要因および予測される効果を小中の違い・地域差等から明らかにし、小中連携による食育推進に向けプログラムを開発・実施・縦断的評価を行うことである。食育推進の重要性は理解されつつも、食育の時間の確保は未だ課題となっている。小中連携教育の枠組で食育を行うという視点を取り入れ、より効果的な食育プログラムの構築をはかることを目指している。 2021年度に朝食摂取、朝食内容に関わる要因について小学生・中学生の特徴を明らかにすることを目的として小学生5・6年生、中学1・2年生を対象とした調査を実施した。 その結果、朝食摂取については、小学生時点では生活習慣、とりわけ睡眠習慣が大きく関わっていること、中学生ではそれに加えて「規則正しい生活ができる」という自己効力感が関わっていることが明らかとなった。また、朝食内容については、「主食・主菜・副菜」が揃っているか否かにおいて、小学生では就寝時刻や睡眠習慣が関わっているのに対し、中学生では「主食・主菜・副菜が揃った朝食の献立を考えることができる」「主食・主菜・副菜が揃った朝食を作ることができる」などの、栄養バランスに特化した食スキルについての自己効力感を持つことが関わっていることが明らかとなった。2022年度からの実施に向け、これらの結果を踏まえたプログラム開発を進めている。 また食育プログラムの実施における課題として、時間の確保、ITツールの活用、朝食に関する学習からの発展が挙げられ、これらの解決に向けた取組を実施した。具体的には中学校の食育におけるiPad利用を試行し、そのメリットとデメリットを整理した。小学校においては、様々な家庭環境があるなかでも実施可能な学習方法を模索し、今後のプログラム開発に向けて準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れている主な理由は、2020年度の進捗の遅れおよび、新型コロナウィルス感染拡大の影響によるところが大きい。予定していた研究内容は実施できているが、上記理由により年度内に完結していない。2022年度以降に並行して進め、状況をみながら延長も検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果をもとに小中連携の具体的なプログラムを完成させる。このプログラムについて、2022年度から縦断データの本格的な収集を開始する予定である。 またこれまでの基礎資料に関わる結果については、学会発表ならびに論文化を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究進捗の遅延および新型コロナウィルス感染拡大による影響で予定していた出張が行われなかったためである。また、人件費については一部を学生のプロジェクトとして行ったため支出されなかった。次年度以降は人件費が発生する見込みである。 今後の進捗状況によっては研究期間の延長も視野に入れ、研究費を合理的に活用する。
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Research Products
(1 results)