2021 Fiscal Year Research-status Report
子どものベジタリアンやマクロビオティックの実践が腸内菌叢に与える影響
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20K13824
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
玉田 葉月 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70581403)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ベジタリアン / 腸内菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベジタリアンやマクロビオティックといった食習慣は、主に西洋諸国を中心とした先進国においてここ数十年の間に広まり、本邦においても受け入れられつつある。一般的にベジタリアン食とは、動物性食品の摂取をすべてもしくは一部を制限する食事であり、先行研究においては虚血性心疾患やがん、肥満や糖尿病のリスクを有意に下げることが報告されている。その一方で、アレルギーや精神疾患のリスク上昇と関連しているとの報告もあり、ヒトの健康に有益であるか否かについては議論の余地がある。特に、乳幼児期や小児期においては栄養素の必要量が増大するため、このような特定の食品の摂取を制限する食習慣により、特定の栄養素の摂取量が不足する可能性がある。また、ベジタリアン食やマクロビオティック食などの食習慣の実施により、特徴的な腸内菌叢構成を示すことが報告されており、これがヒトの健康や疾患に影響を及ぼす可能性が指摘されている。しかし、これらの先行研究は成人における報告であり、栄養素の必要量や代謝、生活習慣やその他の要因が成人とは異なる小児への影響は未解明である。そこで本研究は、「ベジタリアン食やマクロビオティック食を実践する家庭の実態把握」、「子どもがこれらの食習慣を実践することによる腸内菌叢への影響評価」の2点を目的に実施した。 本研究は、環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」における愛知ユニットセンターの追加調査として実施した。本研究を行うにあたり、大規模な疫学調査において実施可能な検体(糞便)回収および保存方法について検討を行った。これに基づき、対面調査である「学童期検査(小学2年)」に参加した児童を対象に腸内菌叢解析を行い、その構成を分析した。質問票調査から食習慣の抽出を行い、その他の要因と併せて解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、検体の収集ならびに解析に遅延が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、収集した糞便検体について次世代シークエンス法による菌叢解析を実施し、ベジタリアン食やマクロビオティック食の実践が与える影響について統計学的な解析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、検体の収集ならびに解析に遅延が生じた。今後、引き続き検体の収集を継続し、解析作業を行う。
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Research Products
(1 results)