2020 Fiscal Year Research-status Report
低糖質グルテンフリー含泡食品の糖蔵に及ぼす糖アルコールの影響
Project/Area Number |
20K13830
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
舟木 愛美 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (10848071)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖アルコール / 米粉 / グルテンフリー / 低糖質 / 含泡食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】糖アルコールは低エネルギー、非う蝕性、血糖値上昇が少なく、低糖質として生活習慣病予防としても期待が大きく、食品の保存性向上を目的とした糖蔵としての効果が期待できるとされている。そこで、本研究では糖アルコールを添加した低糖質のグルテンフリー含泡食品の泡沫特性と焼成生地特性に与える影響を検討した。 【方法】泡沫の調製には卵白と豆乳、糖はショ糖とキシリトールを用い、糖濃度が0, 20, 40, 60, 80, 100%となるよう添加した。ハンドミキサーを用いて起泡させ、泡沫特性として起泡力、泡沫安定性および泡沫のテクスチャー特性を調べた。またグルテンフリー含泡食品は、泡沫に米粉とベーキングパウダーを基本材料とし、オーブン加熱(150℃30分)と電子レンジ(500W1分40秒)で焼成した。焼成中の温度履歴、比容積を測定した。 【結果】卵白と豆乳の泡沫特性については、卵白泡沫はショ糖、キシリトール添加いずれも糖濃度が高くなるほど糖添加0%のコントロールと比較し、離水率、起泡力が減少する傾向を示し、100%の糖濃度で離水率、起泡力は最も低値となった。一方で豆乳泡沫はショ糖、キシリトール添加いずれも糖濃度40%までは糖濃度が高くなるほど離水率は減少する傾向を示したが、糖濃度が60%を超えると泡沫と液面に分離する傾向が見られ、80%, 100%の糖濃度では泡沫を得ることができなかった。含泡食品については、電子レンジ焼成では卵白生地も豆乳生地いずれも、焼成後約1分で100℃に達した。オーブン焼成では卵白生地は焼成後15分で内部温度が100℃に達し、到達内部温度が105℃に対し、豆乳生地の到達内部温度は95℃であった。また糖を添加することで、卵白生地、豆乳生地ともに体積は大きくなり、やわらかくなる傾向を示し、卵白生地ではキシリトール添加、豆乳生地ではショ糖添加の体積が最も大きくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
卵白と豆乳に糖添加することでの影響を検討し、糖アルコールを用いた泡沫特性もショ糖と同様の泡沫特性を示すことができた。一方で泡沫特性を活かした含泡食品の特性については明らかになっていないため検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
泡沫特性の基礎研究が行えたので、含泡食品としての可能性を検討するため、スポンジケーキを焼成し、その物性変化について色度、比容積、水分含量、破断特性、テクスチャー特性を測定し、特性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
[理由]物品費についてはストックを有しているものがあり、研究開始にあたってはまずそちらの方から使用した。成果報告を予定していた学会へ参加ができなかったため、旅費が繰り越された。 [使用計画]研究室のストックはほぼなくなったため、今後は研究遂行に伴い物品を購入する予定である。
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