2022 Fiscal Year Annual Research Report
みそ・しょうゆ特有香気成分の酵母による生成機構の解明および増強化技術への応用
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20K13832
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Research Institution | 秋田県総合食品研究センター |
Principal Investigator |
上原 健二 秋田県総合食品研究センター, 食品加工研究所, 主任研究員 (30781893)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酵母 / 機能性フラノンHEMF / みそ・しょうゆ |
Outline of Annual Research Achievements |
HEMFの推定前駆体であるセドヘプチュロース7リン酸(S7P)はペントースリン酸(PPP)経路の反応中間体である。今年度はPPP経路のHEMF生成への関与を詳細に解析するため、経路の第1ステップを触媒するZWF1や、S7P生成に直接関与するTKL1およびTKL2を破壊してS7P生成を遮断したところ、HEMF生産性が大きく低下した。細胞内のS7P蓄積量は今後定量するが、エタノール生成に関してはzwf1Δ、tkl1Δ/tkl2Δ株ともにWTと同程度であったが、アセトアルデヒド生成はtkl1Δ/tkl2Δでは1/2以下となっていたことから、PPP経路の遮断はHEMF生成に利用されるNADPH蓄積量の低下に加え、HEMF前駆体の一つであるアセトアルデヒド生成にも影響を及ぼしていることが示唆された。また、新たに抽出した候補遺伝子(ECM33、TOS1、YJR120W)の破壊株を作成したところ、yjr120wΔ株でアセトアルデヒド生成がほぼ起こらなくなり、HEMF生産性もWT比で8割低下した。YJR120Wは嫌気条件下でのステロールの取り込みに関与しているが、本研究ではすべて好気条件(振盪)で培養を実施しており、またYJR120W遺伝子を高発現させてもHEMF生産性は向上しなかったことから、YJR120Wは間接的にHEMF生成に関与していることが示唆された。 上記成果に加え、本研究を通してメイラード反応物が存在するHEMF生成条件下で発現誘導もしくは抑制される遺伝子群(エルゴステロール生合成遺伝子、鉄取り込み関連遺伝子、分岐鎖アミノ酸生合成遺伝子)が明らかとなったことや、HEMF生成とアセトアルデヒド代謝の関係、Z. rouxiiにおけるミトコンドリアとHEMF生成との関連を検証したことにより、HEMF生成経路の全容解明の糸口となるような有用な知見が様々得られたと考えている。
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