2023 Fiscal Year Research-status Report
皮膚カロテノイド指標と糖代謝異常に関する栄養疫学研究
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20K13837
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Research Institution | The Health Care Science Institute |
Principal Investigator |
岡田 恵美子 公益財団法人医療科学研究所, 研究員育成委員会, 研究員 (00766537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 皮膚カロテノイド / 糖代謝異常 / 栄養疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年では野菜・果物の摂取状況を把握するための方法として、皮膚カロテノイド指標の測定が注目されている。野菜・果物摂取は2型糖尿病のリスク低下と関連することが知られているが、皮膚カロテノイド指標を用いて評価した研究は少ない。そこで本研究では、日本人勤労者を対象に皮膚カロテノイド指標を測定し、糖代謝異常との関連を明らかにすることを目的とした。2022年から2023年に20歳以上の成人210名を対象に調査を実施した。ベジメータによる皮膚カロテノイド指標の測定、タブレットを用いた基本属性や生活習慣、食習慣に関する調査、糖代謝異常を定義するためのHbA1cの情報提供を受けた。まず、重回帰分析を用いて、皮膚カロテノイド指標と野菜・果物摂取状況との関連を確認した。次に、交絡因子を考慮して皮膚カロテノイド指標と対数変換したHbA1c値との関連を検討した。その結果、皮膚カロテノイド指標は、野菜の皿数(偏回帰係数=18.6、P値=0.023)および果物摂取頻度(偏回帰係数=21.1、P値<0.001)との正の関連を認めた。皮膚カロテノイド指標とlog HbA1c値はわずかな正の関連を認めた(偏回帰係数=0.0001、P値=0.028)。結論として、皮膚カロテノイド指標は野菜・果物摂取状況とは関連したものの、糖代謝異常とはほとんど関連しない可能性が示された。本研究はサンプルサイズが小さいことから、今後は大規模な研究で検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査結果のデータ解析は終了し、現在は論文を執筆中であることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果は本年度中に論文として学術雑誌に公表し、学会発表を行うことで、国内外に広く周知する予定である。
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Causes of Carryover |
情報収集および研究成果発表のための学会旅費、ならびに調査データ入力の人件費(謝金)が計画当初より少なく済んだことから次年度使用額が生じた。次年度は、研究成果を公表するために、英文校正費や論文掲載費等のその他の経費が発生する予定である。
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