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2024 Fiscal Year Annual Research Report

〈教育機会の平等〉の哲学的研究--概念史の再構築に向けて

Research Project

Project/Area Number 20K13841
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

児島 博紀  富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (50821542)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords教育の正義
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、英語圏における〈教育機会の平等〉概念とその意味内容の変遷を、哲学的な観点から検討し明らかにしようとするものであった。最終年度であった2024年度は、前年度までに行ってきた現代の〈教育の正義〉論争の検討を主として深化させつつ、それを論文化して、論文集に寄稿した。しかし、諸般の事情により論文集は現時点で刊行に至っていない。そのため成果の公刊という点で不十分だったと言わざるをえない。研究計画に照らしつつ、研究期間全体を通じた研究の成果について振り返ると以下のようになる。
第一に、米国の〈教育機会の平等〉論争の再検討については、問題の提起者であるJ. S. コールマンの言説を検討した結果、それに対してしばしばなされるような、平等主義的言説としての評価は見直す余地があることがわかった。この点については、論文化の作業を引き続き継続したい。
第二に、英国の〈教育と不平等〉をめぐる諸理論の検討は、作業がとくに不十分なままにとどまった。今後の課題として、当初計画したOxford Review of Education誌上の諸理論の検討を継続する予定である。その際とくにM. ウォーノックによる教育における平等の議論に焦点を当てることを考えている。
第三に、現代の〈教育の正義〉論争は、本研究でとりわけ検討を深めた点であり、上記に述べたような成果の公刊を予定しているほか、そうした論争や理論に影響を与えた背景に関して、J. ロールズの平等主義に関する検討やケイパビリティ・アプローチに関する翻訳なども行った。これらによって、論争の背景に理解を深め、検討に厚みをもたせることができた。
しかしながら、全体として本研究は、成果の公刊と各論点をまとめあげて概念史という形に練り上げるという点では、不十分だったと評価せざるをえない。研究期間終了後も、研究の継続と成果の公刊に努める所存である。

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Published: 2025-12-26  

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