2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K13846
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
ハス ゲレル 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (50720017)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 民族教育政策 / 1950、60年代のモンゴル民族学校 / 文化継承 / 次世代育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により現地調査ができなかった。そのため、2018年のインタビュー調査のデータをもとに、1950年代の民族教育政策と1960年代に建設された遊牧地域のモンゴル民族小学校の寄宿舎の管理員と学生へのインタビュー調査を行い、当時の民族学校の実態を明らかにした。1949年に中華人民共和国が設立され、1950年代は民族や民族教育に関する法規定が整備された時期である。1960年代は遊牧地域の学校建設と通学が主な課題であった。 新型コロナウイルス感染症のため、今後も中国での現地調査の見通しが立たないこともあり、研究対象を在日モンゴル人コミュニティーまでにひろげ、文化継承活動や次世代の育成に関しても研究を進めた。コミュニティーの活動への参加やインタビュー調査をおこなった。主に1990年以降に留学生として来日した中国籍モンゴル人の日本への定住が増え、就職、結婚や出産する人々の増加にともない、活動がその2世に向けられるようになっている。2010年以降になると親主体の自民族のことばや文化を中心とした活動が増えてきている。このような活動の発展と継続は、日本社会で適応しようと揺れ動いている親の居場所になるだけではなく、次世代の育成にも意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で現地調査を行うことができなかった。ただ現地の研究者との協働によって必要な資料収集ができ、研究の進展をはかることができた。 しかし、現時点では、中国での調査の見通しが立たないため、今後は研究計画の見直しが必要になることもあると推測される。
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Strategy for Future Research Activity |
中国での研究者と情報交換、研究交流をオンラインによって進めることができた。また資料収集にも協力してくれたため、研究成果につなげることができた。 現地調査が可能になった場合、円滑に調査が実施できるように、制限はあるがオンラインで予備調査を行い、本調査に向けて準備を行っていく。
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Causes of Carryover |
今年度は現地調査ができなかったため、旅費の支出がなかった。若干の文献収集と備品購入にとどまったために、その他の支出もなかった。 次年度は、日本国内や海外出張ができるようになる可能性があり、可能な限り学会参加や調査をおこない、研究を進めたい。
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