2022 Fiscal Year Research-status Report
首長・教育委員会関係の類型とその政策効果:委任理論に基づく実証分析
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20K13868
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本田 哲也 金沢大学, 法学系, 講師 (40800016)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 首長 / 教育委員会 / 委任 / 統制 / 総合教育会議 / 教育長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は次の3点に取り組んだ。第1に、前年度に引き続き、新教育委員会制度の運用実態に関するデータの収集に取り組んだ。具体的には都道府県レベルの総合教育会議の開催回数、協議議題、会議に提出された関連資料については、平成27年度から令和4年度までの大方のデータを収集することができた。ただし、令和4年度については、2023年になり開催されたものについて、確定的なデータが収集できていないため、引き続きフォローアップする必要がある。また県によっては、ホームページの更新によるリンク切れにより、過去に公表済みである開催概要にアクセスできなくなっているケースもあり、この点をフォローアップする必要がある。 第2に、収集した総合教育会議に関するデータの分析によりいくつかの特徴が明らかになってきた。まず、平成27年度当初より既に指摘してきたことであるが、開催回数に関して類型化を行うことが可能であり、データの収集期間を通じてその類型に大きな変化は見られない。次に、開催回数の多寡については、コロナ禍の影響もあり、減少傾向にあることがいえる。開催回数に影響を与える要因については、仮説を得ているが、これら仮説により、どの程度説明が可能かについては、定量的な分析だけではなく、定性的にも検証する必要があり、このことは次年度の課題としたい。 第3に、昨年度からの継続課題であった質問紙調査の再分析による論文を公表した。新教育委員会制度の運用実態について、「自治体規模」が影響を与えることを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、新教育委員会制度運用実態に関するデータの収集とその分析、質問紙の再分析による論文の執筆に取り組んできた。総合教育会議のデータの収集については、フォローアップが必要な点はあるものの、順調に進展していると考える。また、前年度に積み残していた質問紙調査の再分析による論文の公表も、達成することができたため、概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については次の2点を考えている。第1に、新教育委員会制度の運用実態のうち、都道府県レベルの教育長の任用について、引き続きデータの収集に努める。また総合教育会議については、政令指定都市と中核市に、データの収集範囲を広げていきたい。 第2に、政策帰結の事例収集について引き続き検討を行いたいと考えてる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において研究会等がオンラインでの開催となったことによる。具体的な使用計画として、対面での調査や研究会開催が解禁される機会を積極的に捉え、執行したい。
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