2023 Fiscal Year Annual Research Report
法曹のプロフェッショナリズム教育における生涯教育学的研究
Project/Area Number |
20K13871
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
種村 文孝 京都大学, 医学研究科, 助教 (80806711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロフェッショナリズム教育 / 法曹養成 / 専門職教育 / 生涯教育 / 生涯キャリア / ロースクール / 法学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究(「法曹のプロフェッショナリズム教育における生涯教育学的研究」)の目的は、生涯教育学の立場から法曹養成プロセスと学習者の成長を捉え直し、プロフェッショナリズム教育を再検討することであり、日本及びイギリスの法曹養成に注目して研究に取り組んできた。その中でも、理論と実践、学問と実務の架橋を目指して導入されたロースクールを中心に、学習者がいかに法曹としての意識や態度を形成しているか、プロフェッショナリズム教育としていかなる可能性があるかを検討した。 2023年度においては、日本及びイギリスにおける法曹養成とプロフェッショナリズム教育の理論的検討と現状分析を行ない、研究成果の発表と論文投稿を行なった。その具体的内容と達成された研究実績は以下のとおりである。 (1)日英の法曹プロフェッショナリズム教育に関する文献調査と理論的検討、(2)専門職教育としての法曹養成及び医師養成のあり方に関する生涯教育学的検討と議論、(3)法曹養成と市民の法教育の関係性に関する学会発表及び論文投稿、(4)イギリスのロースクールの専門職性の涵養と多様性の確保をめぐる現状と課題に関する論文投稿、(5)医学教育のリサーチミーティングでの研究発表と議論、(6)医学部の経験されたカリキュラムに関する生涯教育学的検討と学会発表、(7)法曹養成と医師養成のプロフェッショナリズム教育の比較検討、などである。 研究期間全体を通じた成果として、法曹養成の理論と実践において、プロボノ活動等の社会的実践による学習者の経験と学びを十分に活かせておらず、実務的な意識に矮小化されたプロフェッショナリズム教育に陥りやすい点が明らかになった。市民や社会に開かれた法曹プロフェッショナリズムの諸側面をふまえ、多様な機会(法曹倫理科目、リーガルクリニック、プロボノ活動等)を生かした法曹プロフェッショナリズム教育の統合が求められることを示した。
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