2020 Fiscal Year Research-status Report
Challenges in Introducing Inquiry-Based Learning in Cooperation with the Local Community: Focusing on the Cost of High Schools and Regional Disparities
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20K13878
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Research Institution | The University of Fukuchiyama |
Principal Investigator |
江上 直樹 福知山公立大学, 地域経営学部, 助教 (30727342)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域連携 / 地域協働 / 探究学習 / 地域人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の調査計画として、地域と協働した探究学習を導入する上での課題について明らかにすることを目的に、高等学校を対象としたアンケート調査およびインタビュー調査を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響により学校現場を対象とした調査活動が困難となったため、実地調査に関しては2021年度以降に実施するように計画を変更し、2020年度においては既に保持している調査データの再整理・再分析を行うことで今後の調査モデルの精緻化を図った。 具体的には、2019年度に北近畿地域の高校生とその保護者を対象としたアンケート調査のデータについて、両者のデータを紐付けするとともに、将来的に地元の地域社会と関わりを持ちたいと考える高校生の特徴について、保護者の意向、家庭環境、地域学習の程度、地域社会との関わりの程度等を示す変数をもとに分析を行った。さらに、2020年度に舞鶴市民を対象として実施したアンケート調査のデータをもとに、地域貢献のための活動を行うことについて肯定的な反応を示す人材の特徴に関しても、地域学習の頻度や地域社会との関わりの程度等を示す変数をもとに分析を行った。 分析の結果として、基本的には地域学習を行う機会が多い人ほど、地域と関わりを持つことについて肯定的な反応を見せる傾向にあるが、地域学習の内容・方法次第では高校生が地域社会について否定的な反応を見せる可能性も示唆された。また、地域を支える人材の育成という観点においては、学生時代に家族以外の大人との関わりを持つことなど、子どもの頃から地域の多様な世代との交流を行うことが重要であることがわかった。 以上の結果から、地域探究学習の課題を調査する上では、その教育内容および教材の整備状況に関する観点と、地域人材等の学外の教育資源をいかに活用しているかという観点について調査することが重要であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度の調査計画として高等学校を対象としたアンケート調査およびインタビュー調査を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響により学校現場を対象とした調査活動が困難となったため、2020年度に計画してた調査活動については次年度以降に実施することとして、その結果として進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度および2021年度に予定していた調査活動について並行して実施することとなったため、調査活動がより円滑に進むための工夫が必要となる。また、新型コロナウィルス感染症の動向によっては、2021年度においても広域な調査活動が困難となる可能性があるため、状況により本来予定した調査活動とは別の代替措置を検討する必要がある。 まずアンケート調査の対象校について、当初の予定では京都府下の高等学校を予定していたが感染症の影響により学校によっては直近の地域連携活動が十分に実施できていない可能性が考えられるため、「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」指定校など比較的地域との連携活動を積極的に行うインセンティブが働いている学校についてもアンケート調査の対象に加えることを検討している。またインタビュー調査については、複数の学校への訪問が困難となる可能性が高いため、本研究代表者が探究学習に関する外部委員等に就任している高校である2~3校に限定して調査活動を行い、一つの学校あたりの調査量を増やすなどの措置を検討しているところである。
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Causes of Carryover |
2020年度の調査計画として、高等学校を対象としたアンケート調査およびインタビュー調査を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響により学校現場を対象とした調査活動が困難となったため、実地調査に関しては2021年度以降に実施するように計画を変更し、2020年度においては既に保持している調査データの再整理・再分析を行うことで今後の調査モデルの精緻化を図った。そのため、2020年度の研究活動においては予算を必要とする活動がなかったため次年度使用額が生じることとなった。 2021年度については、2020年度に行えなかったアンケート調査およびインタビュー調査を実施するとともに、その活動に必要な物品等の購入も行うことで、計画に沿った研究費用を支出する予定である。
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