2022 Fiscal Year Research-status Report
近代博物館における教育機能の形成過程に関する比較史的研究
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20K13887
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高田 麻美 岩手大学, 教育学部, 准教授 (30734545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教育博物館 / 教具の普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画において、2022年度は、ワシントン教育博物館の設立過程と実態を解明するとともに、文部省教育博物館における活動の展開を検討することを目標とした。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、アメリカでの資料調査が実施できず、国内における資料調査にとどまった。そのため、研究期間を2023年度まで延長することとした。 2022年度は、主に以下の二つについて取り組んだ。 第一に、ワシントン教育博物館に関して、既に収集した資料の整理・検討を進めた。その過程で、同館がフィラデルフィア博覧会の準備を契機に、学校教育関連資料の収集を開始したこと、すなわち、「狭義の教育博物館」として活動した経緯が明らかになった。 第二に、東京都公文書館所蔵の東京府庁文書を調査し、文部省教育博物館における教具の普及活動を検討した。文部省は、1882年文部省達「地方教育奨励ノ為メ学事賞与例并ニ学事奨励品付与例制定ノ事」において地方学事奨励の方針を示した。この学事奨励施策の一環として、同館が学事奨励品の政策にあたったことが解明された。2023年度には、同達に基づく文部省による学事奨励施策と全体像と同館が果たした役割について成果発表を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、計画していたアメリカ調査が実施できなかった。それゆえ、本年度は研究の基礎資料を十分に収集することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況によるが、2020年度~2022年度に予定した資料調査(特に国内調査)を2023年度に実施できるよう努めたい。資料調査が再開できないと判断された場合、デジタルアーカイブや資料複写サービス等が利用可能かどうか、あるいは、別資料で代替できないかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
当初、アメリカ調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、調査を中止せざるを得なかった。 2023年度は、国内外の状況をみながら、徐々に資料調査を再開していきたい。また、資料調査の再開が難しいと判断された場合、資料の郵送サービス等の活用も検討する。その複写代やサービス利用代に旅費をあてる可能性も考えている。
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