アジアへ移住する日本人家族のリージョナル・リッチ・フライトと教育戦略に関する考察

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K13895
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 五十嵐 洋己 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 助教 (90768300)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: グローバルエスノグラフィー / リッチ・フライト / 教育移住 / 教育戦略 / 社会階層 / 東南アジア / ライフスタイル移住

Outline of Annual Research Achievements

新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響により、本研究プロジェクトは大きな影響を受けた。特に初年度は海外調査を２回で東南アジア４カ国の現地フィールドワークを予定していたため、今年度の前半ではパンデミックの終息を待って後半で調査の実施を計画していたがそれも叶わなかった。このような未曾有の状況の中での今年度の研究実績は３点である。
１点目は、海外フィールドワークを実施できない代替として、パンデミックの中で東南アジアへ移住している日本人家族の状況について当事者のBlogやメルマガ等で共有されている情報のデータベースの作成である。２点目は、「トランスナショナルな移動」、「パンデミック」、「デジタル」、「社会階層」、「インターナショナル・スクール」、「オンライン・フィールドワーク」のトピックの文献調査を行なった。特にオンラインでの調査の特徴（メリット・デメリット）が何かを把握できたことで、次年度のデータ収集の方向性の目処を立てることができた。３点目は、当面の海外フィールドワークの実施が難しいことを想定し、次年度からオンラインで調査を実施するための研究倫理審査の書類の作成を行なった。
現在新型コロナウイルスの世界的蔓延による人の国際移動は現在大きく制限されている。この時期だからこそ、ポストコロナの人の移動についての研究意義はより高まっている。特に、人の国際移動が制限される中で、「グローバル人材の育成」の必要性の社会的な議論がどのように変化し、また東南アジアに移住している幼児期・学齢期の子どもを持つ日本人家族に影響があるのか、本研究の新しい課題として浮かび上がった。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響により、当初２回予定していた東南アジア４カ国の現地フィールドワークを延期をせざるをえなかった。

Strategy for Future Research Activity

本研究は調査者（研究代表者）にとって新しい海外フィールドワーク先として３カ国を追加して調査を実するものである。対面を伴わないオンライン調査の実施は、フィールドとの関係性の構築に向かないと判断し躊躇してきた。しかし、パンデミックの終息が当面見込めないことから、翌年度から海外フィールドワークの実施の目処が立つまで暫定的にオンラインでの調査を行うことを計画している。

Causes of Carryover

海外調査を実施できなかった為、旅費の使用額が余る結果となった。引き続き海外調査ができない可能性がある為、当初の計画から大幅に使用額が変更する可能性が高い。翌年度はオンラインでの調査を実施する為、「旅費」の経費を他の用途の使用する可能性がある。