2021 Fiscal Year Research-status Report
Advancing new international development studies integrating through children's lives with pre-primary education in African and Asia
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20K13914
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高柳 妙子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 日本学術振興会特別研究員 (30444706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフリカの幼稚園教育 / アジアの幼稚園教育 / 先住民の子どもたち / 母語教育 / 多文化・多言語社会 / 新型コロナウイルス感染症拡大による影響 / 保護者の価値観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ケニア(アフリカ)とタイ(アジア)の多文化・多言語環境に育つ子どもたち に対する幼稚園教育の現状と保護者の幼稚園教育にたいする価値観と課題を明らかにするこ とである。ケニアとタイの多言語社会の中で、幼稚園での参与観察と教育 者および保護者へのインタビュー調査から、幼稚園の運営、子どもの生活文化・生活言語 (母語)の実態を調査し、乳幼児期から多言語・多文化環境に育つ子どもたちの発達や学習 の権利を据えた幼稚園教育の提供という課題に対して改善点を提案することである。2020年1月に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により、ケニアとタイにおいてフィールドワークがなかなか実施できない状態にある。一方で、ケニアにおいては、幼稚園における母語教育の実態と教員と保護者を対象として母語教育に対する価値観と認識の調査を行った。その結果、ケニアは多言語社会であるため、母語教育としての教授言語の選択の難しさ、母語教育の教材不足、資金不足が明らかになった。また保護者達の最も多かった意見として、母語教育は家庭で実施できるが、進級するために必要な英語とスワヒリ語は学校で教えてほしいこと、母語教育の試験は存在せず、またスワヒリ語と英語の習得が進学や就職に影響することから公用語学習の高い期待が明らかになった。他方、タイでは、幼稚園教育は義務教育ではないので幼稚園就学率がいまだ低いこと、新型コロナウイルス感染症拡大による長期間の幼稚園閉鎖により、家庭への負担が増え、養育者と子どもたちの関係への負の影響が懸念されていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
世界的な新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、ケニアとタイ農村部におけるフィールドワーク実施が困難な状況である。そのため、オンラインインタビューや現地の共同研究者による安全に実施できる範囲でのインタビュー調査を少しづつ実施している状況である。 一方で、ケニアとタイの幼稚園教育に関する政策文章や文献調査、および、文献の英語への翻訳はかなり進んでいる。また今までに実施してきた調査研究の結果を利用して、論文執筆、オンラインによる学会発表を行い、国際開発学会運営や招待講演会開催などを積極的に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症拡大の状況と現地の海外研究者受け入れ状況をみて、所属大学機関と相談して、ケニアおよびタイ両国でのフィールドワークを実施する。収集したデータより、アフリカ・アジア間の地域間比較(地域を超えて適用できる普遍性のある事項の探索など)を行う。引き続き、学会等での成果発表、国内外の学術誌への投稿を準備する。
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Causes of Carryover |
とくになし
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Research Products
(17 results)