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2022 Fiscal Year Research-status Report

Research on effects of grade promotion for children with special needs in Vietnam

Research Project

Project/Area Number 20K13918
Research InstitutionBiwako-Gakuin University

Principal Investigator

白銀 研五  びわこ学院大学, 教育福祉学部, 准教授 (70826213)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsベトナム / 教育課程 / 評価 / 進級 / 言語教育 / 和入教育 / 発達障害
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は、学習機会に焦点をあててベトナムの学校教育の課題を整理した。また、感染症対策の影響により調査が延期されてきたものの、2023年3月に実施することができ、教員のデータを収集することができた。
学習機会にかかわる研究では、ベトナムにおける障害のある子どもの近年の学習機会を整理した。まず、ベトナム統計総局から9割以上の障害のある子どもが障害のない子どもと学習しているとされているものの、属性や社会階層別に見たとき、社会的に脆弱な立場にいる子どもほど通常の学校で障害のない子どもと一緒に教育を受ける割合が高かくなる傾向があった。また、生活水準が比較的高く、条件のより整った環境にいる一部の障害のある児童は、障害のある子どものための学校などで就学する傾向があった。さらに、こうした傾向は、障害のある子どもの親への聞き取りからも裏付けることができた。こうしたことから、近年のベトナムの教育政策に見る、障害のある子どもを通常の学校に就学させようとする動きは、学習機会の保障につながっていないだけではなく、問題そのものを潜在化させてしまうおそれのあることがわかった。
上記に加え、未だ分析中であるものの、2023年3月の調査で得られたデータから教員は次の考えを共有していることがわかってきた。ベトナムの障害のある子どもの教育において、試験を課し、その結果をもって進級を判断する仕組みは、課程主義に基づき学習内容の確実な定着という考えに依拠しており、教員は教育権の保障という観点に立ち、障害のある子どもであっても学習内容の修得を確認すべきであるという考え方を有していることがわかってきた。ただし、こうした考えは学習機会をめぐる問題が潜在化しつつあることと合わせて、今後より精査される必要があるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

前年度から引き続き、2022年度も感染症対策の影響で夏季に予定していた調査が再度延期せざるを得ない状況となった。しかし、2023年に感染症対策が緩和されたことを受けて、同年3月に調査を実施することができたことに加え、ベトナムの調査協力者のサポートもあり、分析に必要なデータを予想以上に収集することができた。したがって、研究遂行についてはおおむね順調に進めることができている。ただし、これらのデータを取りまとめるため期間として研究期間を1年延長したことから、上記のカテゴリーとした。今後、早急に分析を進め特別なニーズのある子どもの教育における進級制度の特徴をまとめ、成果発表をおこなっていきたい。

Strategy for Future Research Activity

2023年度の研究では、研究計画最終年度として次の3点の作業をおこなう。
1つ目として、インタビューデータの取りまとめをおこなうとともに、ベトナムにおける全国調査の結果をもとにした近年の学習機会の変化を概括した研究成果報告書を刊行する。なお、障害のある人にかかわる全国調査は既にベトナム統計総局から刊行されているものの、本研究成果報告書では個票データを再度分析し直したうえで、属性や社会階層別の学習機会について整理していく。
2つ目として、これまでにおこなってきた「普通教育課程」改革における言語教育の動向を整理したうえで、教科「ベトナム語」において教員がどのように子どもの能力を捉えているのかを調査の結果をもとに取りまとめ、研究成果として国内外の学会で発表する。また、これらをとおした議論を通じて、理論的に精緻化させ、論文としてまとめあげながらベトナムの進級制度の特徴を明らかにする。
3つ目として、1と2の作業を踏まえて、これまでに発表してきたベトナムの教育研究の成果と本研究の成果をまとめて、書籍等を含めた様々なかたちで積極的な成果発表を目指す。
以上、ベトナムの進級制度について分析と成果発表をおこなっていく。

Causes of Carryover

2022年度では、夏季に予定していた調査が感染症対策の影響で延期となり、データ分析の作業を2023年度に持ち越すことになったことが主な理由である。したがって、調査結果を取りまとめるうえでの2022年に予定していた報告書刊行の費用や、調査結果によって新たに必要になった資料、また成果発表のための学会参加費等を2023年度の支出とした。このため、次年度使用額に差が生じることとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] ベトナムにおける障害のある子どもを対象とした和入教育-「一緒に教育する」実践にみる学習機会-2022

    • Author(s)
      白銀研五
    • Journal Title

      比較教育学研究

      Volume: 65 Pages: 41-59

URL: 

Published: 2023-12-25  

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