2022 Fiscal Year Research-status Report
基礎教育における保護者の参加とその意識に関する実証的研究
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20K13920
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
江田 英里香 神戸学院大学, 現代社会学部, 准教授 (80434421)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カンボジア / 就学前教育 / 基礎教育 / 保護者の意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特に農村地で実施されているコミュニティプレスクールと在宅プログラムがカンボジアの乳幼児の保護者にどの様に受け入れられており、その後の教育に対してどの程度積極的に関与しようとしているのかということを明らかにし、カンボジア特有の教育課題の解決を検討していく。 特に基礎教育の充実においては受益者である保護者の意識が大きく影響を及ぼしている。また、近年の研究では就学前プログラムが教育課題の解決に貢献することが明らかとなっている。様々な教育課題を抱えるカンボジアにおいて、近隣諸国と比較しても就学前プログラムへの参加がはるかに少ない中で、保護者の意識に着目していく。 カンボジアにおいては、基礎教育における留年や退学率が依然高いことと、基礎教育完全普遍化の未達成、初等教育から中等教育への進学率の低さと中等教育の修了率の低さが課題となっている。近年の研究では、就学前プログラムがそれらに有益であることが明らかとなっている。しかし、カンボジアの就学前プログラムへの参加はアジアの他国と比較してもはるかに少なく、UNICEF主導で実施されている就学前プログラムは、コミュニティ形成が難しいと言われているカンボジアにおいて、コミュニティをベースとするプログラムとなっている。 そこで、本研究では、特に農村地で実施されているコミュニティプレスクールと在宅プログラムがカンボジアの乳幼児の保護者にどの様に受け入れられており、その後の教育に対してどの程度積極的に関与しようとしているのかということを明らかにし、カンボジア特有の教育課題の解決を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020~2022年度までに【フェーズ1】として、カンボジアで実施されている就学前プログラムである農村地でのコミュニティをベースとするコミュニティプレスクールと在宅プログラムについての基礎調査を行い、現状と課題を探る。また【フェーズ2】では実際に保護者へのインタビューなども予定していた。 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、カンボジアに渡航することができなかったため2020年から2021年については、就学前教育についての先行研究をまとめ、そこでの課題を明らかにするなど、文献研究を中心に研究を進めてきた。 2022年度では、1回目の渡航で【フェーズ1】の調査を行うことができたが、2回目に保護者へのインタビューを予定していた渡航が感染症罹患のため断念せざるを得なかったため、2023年度に行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の渡航で就学前プログラムを訪問することができたが、在宅プログラムへの訪問はかなわなかった。また、在宅プログラムはインフォーマルな形で実施していることが常でアクセスが難しいことから、今後は就学前プログラムを①公立の就学前プログラムと②コミュニティプレスクールに限定して調査を行う。 2023年度では、公立の就学前プログラムおよびコミュニティプレスクールに通っている子どもの保護者へのインタビューを行い、保護者の意識について調査を行う。そこからカンボジアの就学前教育における就学への促進・阻害要因を明確にして、カンボジア特有の教育課題の解決を検討していく。
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Causes of Carryover |
2回目の渡航が中止になったことが大きな要因である。 また、現地での調査依頼を行う予定も実施できなかった。
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