2020 Fiscal Year Research-status Report
発達の気になる子どもを持つ親のストレスへの育児支援プログラムの開発研究
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20K13941
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
橋本 かほる 京都先端科学大学, 健康医療学部, 准教授 (10748619)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 発達の気になる子ども / 育児ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
保育所入所の低年齢化が進むなか、こだわりが強い、コミュニケーションが苦手、集団行動が苦手など発達の気になる子どもの数が増えている。気になる子どもをもつ親は育児になにかしら困難さを抱えているが、不安なまま子育てをしている。福井市では、特別な配慮が必要なこどもへの支援を強化していくため、障がい児健全育成事業の一つとして親子療育教室の研究を進め、発達の気になる子どもへの支援方法について効果を上げている。その一方で、発達の気になる子どもをもつ親へのアセスメントに基づいた育児支援プログラムの開発が課題である。親自身がどのような不安を抱え、育児をしているのかを明らかにすることで、より早期からの質の高い育児支援と専門療育機関との連携が図れる。 本研究は、福井県福井市公立保育園の親子療育教室に参加している発達の気になる子どもをもつ親に対して、親の育児ストレスを分析し、子どもの発達特性に応じた保育を親と保育士が連携して行う育児支援プログラム開発を目的としている。 2020年度の成果として、福井市の公立保育園で実施されている親子療育教室に参加する発達の気になる子どもとその親に対して、子どもの発達評価とともに、親の育児ストレスについて評価を行うことについて、研究計画を研究倫理審査委員会に提出し承認を得た。承認後、被験者となる発達の気になる子どもの親に口頭と書面で説明を行い、研究参加への了承を得た。研究代表者は、発達の気になる子どもの親7名に育児ストレスインデックス(PSI)を実施した。子どもに対するストレスと親自身のストレスについて結果を分析し、担任保育士に説明した。研究代表者よりPSIの結果を親にフィードバックした。その際、担任保育士に同席してもらい、保育所と家庭が連携して保育可能な項目についてアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は2020年7月に研究計画を京都先端科学大学研究倫理審査委員会に提出し2020年9月2日承認を得た。研究代表者は研究倫理審査委員会で承認後、2020年11月、被験者となる発達の気になる子どもの親7名、その担任保育士6名に口頭と書面で説明を行い、研究参加への了承を得た。 2020年度は以下の研究1から5について進めた。 研究1.発達の気になる子どもを持つ親のストレスと発達の気になる子どもを持つ親への育児支援に関する文献レビュー。研究 2.発達の気になる子どもを持つ親7名に対して育児ストレスインデックス(PSI)を用いた調査を2020年11月28日と2020年12月4日に行い7名分のデータ収集を行った。研究3.発達の気になる子どもの基本情報[年齢、性別、生育歴、発達歴、基礎疾患、診断名、療育履歴、家庭環境(家族構成、出生順)]について2020年度親子療育教室対象児7名の調査を行いデータを収集した(2021年2月26日、2021年3月5日)。研究4.発達の気になる子どもの発達特徴の分析については、親と子どもの担任保育士の双方に発達検査(KIDS乳幼児発達スケール)を実施し、7名分のデータを収集した(2021年2月26日、2021年3月5日)。研究5.発達の気になる子どもを担任する保育士6名に対し育児支援アンケ―ト調査(preとpostの2回)を実施した。 1回目のpreアンケートは親子療育教室開催中の2020年12月25日に実施し、親の育児ストレス調査の結果について保育士が気づいた点と具体的な育児支援計画について記載していただいた。2回目のpostアンケートは2021年3月5日に実施し、育児支援計画の取り組みについて記載していただいた。 新型コロナ感染症で保育園への出入りが10月までできず、調査期間の短縮と調査開始時期の遅滞、さらに感染予防より対象者が7名となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は1年間に10名の対象者について、PSIを実施し育児ストレスの評価をする。親子療育教室における育児支援プログラムの取り組み後に、親に対して半構造化面接によるインタビューを一対一で行い、ストレスの変化についてアンケート調査できるよう計画を立てる。研究が当初の計画どおりに進まず対象者が集まらなかった場合、他の公立保育園に働きかけ協力を仰ぐ。研究1.発達の気になる子どもを持つ親に対して育児ストレスインデックス(PSI)を用いた調査を実施しデータ収集を行う。研究2.発達の気になる子どもの基本情報[年齢、性別、生育歴、発達歴、基礎疾患、診断名、療育履歴、家庭環境(家族構成、出生順)]について2021年度親子療育教室対象児の調査を行いデータを収集する 令和3年度4月以降も新型コロナ感染症の影響で、保育園施設への出入りが制限されることが予想され、当該年度の調査期間の短縮および調査開始時期が遅くなる可能性がある。 また、親子療育教室の参加人数に制約がかかる可能性があり、当初予定していたデータ数の確保が困難になる可能性がある。
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Causes of Carryover |
2020年度に統計ソフトの購入予定であったが、2021年度の購入としたため。
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