2023 Fiscal Year Research-status Report
Regional differences in thinness among young Japanese women: social determinants and implications for health discrepancies in the next generation
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20K13947
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮本 友子 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (70774165)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 痩せ / 肥満 / BMI / 低出生体重児 / 早産 / 地域格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該課題では、日本人の若年女性における「やせ」の地域格差について、その社会的決定要因と次世代の健康格差への影響を明らかにすべく、分野横断的な検討を行っている。2023年度は、厚生労働省所管の統計情報の二次利用により、国民健康・栄養調査と人口動態調査の統計情報を入手し、主に以下の2点について分析を行った。 1)若年世代のやせと肥満の地域格差の実態:2003~2007年国民健康・栄養調査に参加した18~39歳で、身体計測値に欠損のない男性3,993名および女性4,465名(妊婦・授乳婦を除く)を対象に、性別および12の地域ブロック別にやせと肥満の割合を集計した。その結果、男女で異なる体格の地域格差の実態が明らかとなった。 2)妊娠前の親にあたる若年世代の体格が次世代の健康へ及ぼす影響:1)の標本の母集団に親の多くが含まれると推定される2008年に出生した児について、人口動態調査の出生に関する統計をもとに、性別・地域ブロック別に早産・低出生体重児の割合を集計した。地域ブロックをもとに前述の若年世代のデータと連結し、若年男女のやせ・肥満と早産・低出生体重児の割合との関連を重回帰分析により検討した。その結果、次世代への潜在的な健康影響が示唆され、特に、妊娠が成立する前の父親の肥満が早産や低出生体重児出生のリスクを高めるという新しい仮説が得られた。 これらの結果から、適正体重を維持している若年男女の増加は、世代を超えて次世代の健康にも好ましい影響をもたらす可能性があり、そのためには各地域の若年世代のやせ・肥満の実態と性差を踏まえたアプローチが必要である可能性が示された。以上の成果を論文としてまとめ投稿した(査読中)。 この他に、国民健康・栄養調査の身体計測値には、一定の割合で自己申告値が含まれることを踏まえ、自己申告による身体計測値の正確性に関するレビューもすすめ、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始直後、新型コロナ感染症の影響により、国内での解析をすすめることができなかったが、当該年度にようやくその解析に着手し、結果を論文としてまとめ投稿することができた。当初の主要な目的を達成できたため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在査読対応中の論文の受理を目指して、研究をすすめる。 また、当該課題の中では、当初計画していた、やせに及ぼす社会的決定要因の影響に関する検討が十分にできなかった。国民健康・栄養調査では都道府県別のやせの割合を明らかにするには調査人数が不十分であることが判明し(調査人数が少ない都道府県ほど誤差率が大きく、母集団の推定値が不安定となっている)、都道府県別の各種データと紐づけて社会的決定要因の影響を検討する当初計画では、方法の妥当性が十分に担保できないことによる。今後、残された課題を明らかにしうる別のアプローチについて検討をすすめ、次の研究課題として資金調達の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
スケジュールの調整がつかず、予定していた国際学会に参加できなかったため。次年度の国内学会参加費および出版費用に充当する。
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